💙side
はーあ。
どうしよう。
俺は悩みに悩んで、それスノの収録日を迎えた。阿部も涼太も、今日がその日だと思ってるだろうなあ。マジで気が重い。
なんとなく阿部とも顔を合わせづらくて、俺はここのところなんだかんだ理由を付けて阿部の家に行っていなかった。
ちょうど阿部もロケなどの時間がかかる仕事が立て込んでいて、夜中に電話するだけで済んで助かった。
しかしいつまでも逃げ回ってもいられない。
今日こそ、ちゃんとみんなに…。
💙おはよー
❤️おはよう、翔太
涼太が意味深な視線を送ってくる。
うう。
おまけに阿部が近くに寄って来て小声で話しかけても来た。
💚今日、話すんでしょ?俺たちのこと
💙うう。話す…よ
💚あ。怖気付いてる
💙違う!佐久間の気持ち考えたらちょっと、その、
俺がしどろもどろになっていると、阿部は全てを見透かしたような顔をした。
💚…やっぱり言えないんじゃん
💙言うってば!!!
💛翔太、どうかした?
💙うおっ!!!照!?
今度は照がいつのまにかそばに来ていて、その隣りにいかにも機嫌が良さそうな佐久間がいた。
まさにニコイチって感じだ。
🩷ねえねえ翔太。俺、お前のこと勘違いしてたみたい
💙何のこと?
🩷俺、翔太と照のこと全然知らなくてさ…
💚翔太と照がどうかしたの?佐久間
げ。
まずい。
俺たちのカミングアウトで頭がいっぱいでこっちの問題、ぜんっぜん忘れてた!!!!!!
💛佐久間、やめろよ。まだ付き合うって決まったわけじゃないんだから
🩷だって嬉しいんだもーん。もう最高!!!
佐久間は心から安心したような顔をしている。
🩷俺、バカみたい。阿部ちゃんと翔太がどうこうなんて絶対あるはずないのに。だって、俺たち友達だもんね?
満面の笑みでそう言われるときついんだけど…。
佐久間は勘違いに勘違いを重ねてもう手が付けられない感じになっていた。
しかし、俺と照がどうこうなることで、阿部と俺の疑いは完全に晴れたようだ。
よかった…。
いや、ちっともよくない。
俺は阿部の方角から冷気が流れて来るのを感じた。
佐久間の上機嫌は止まらない。
🩷ねえ、阿部ちゃん。俺、やっぱり阿部ちゃんのこと好きでいていい?俺、これからも頑張るから。
佐久間は阿部の腕に自分の腕を絡ませて甘えている。
佐久間、ちょっと空気読もうか…。
💛そういえば翔太、この間の俺のチョコ食べてくれた?
💙わーわーわーわーわーわー!!!!!!
💚……チョコ……?
俺は地獄の底から響くような、阿部の低音ボイスを初めて聞いた…。
💚一体どういうこと?
💙ごめん、阿部には黙ってたんだけど、俺、ちょっと前に照に好きって言われて
💚そう
💙俺、ちゃんと断ろうとしたんだけど
💚したけど?
💙照が全然俺の話聞かなくてさ
💚つまり、それを知った佐久間が、翔太が照のものになりそうなんで、元気になったってこと?
💙たぶん…
💚はーーーーーあ
阿部は、ものすごーく長いため息を吐いた。
ほんと、言葉がありません。
黙っていてすみませんでした。
💚もーわかった。ええい!俺が一気に全部解決しましょう
阿部は、その頭脳でこの局面の打開策を捻り出したようだった。
💛🩷Wデート!?
💚そう。佐久間、俺とデートしよう
🩷えっ。本当?
💚で、翔太は照と
💙えっ……
💛マジ!?
収録後の楽屋で、俺たち4人は、阿部の提案で今度、Wデートをすることになった。
てか、何考えてるんだ?阿部……。
営業スマイル中の阿部からは何も読み取ることができない。
我が彼氏ながら得体の知れないやつだと俺は思った。
コメント
5件
あべちゃん…何を考えてるの!?
おはよーございます😊 もう阿部ちゃんの貼り付けたような笑顔が浮かびます…しょぴどんまい……みんなもどんまい………