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「はぁ…もういい。あっち行けよ」
「もぉ~わかったわよぉ。どうしてそんなに冷たいのぉ。もっと優しくしてちょうだい」
あいつ違うクラスになって、いつのまにかにキャラが変わってる。
「千葉くん…目覚めたんじゃない」
「何に?」
「千葉くん、将来ニューハーフのお店で働くかも…」
「マジで? いやいや、それはないでしょ?」
「そうでもないみたい。店一番の売れっ子みたいだよ。見た目はあんなだけど、話し上手だから」
「アイツの未来の姿…見えちゃったの?」
「うん、バッチリ見えちゃった。でも、千葉くんには言わないでよ」
「言わないし、言えないよ。それにしても人の未来ってわかんないもんだな…」
「だから面白いんじゃん」
「そうだね…」
それにしても、先程の千葉の発言…‥
“体が動かなくなり意識が朦朧としてきた”
前にも同じような事を千葉から聞いた事がある。
確か、その日は仲村さんが事故にあった日と言っていた。
帰宅途中、僕の後を着いてきた千葉が途中で意識を失って、目覚めたら野良犬に囲まれて襲われたというものだった。
その時も今回も、やはり能力者の仕業に違いない。
それから僕は誰もいない場所に葵を連れ出し、以前から疑問に思っていた事を、葵に聞いてみる事にした。
「葵に聞きたい事があるんだ」
「何?」
「亜季ちゃんは能力者なんだよね?」
「えっ…」
さすがの葵も、こんな質問をされるとは思ってもみなかったようで、驚いた顔をしていた。
「どうなの?」
「これって答えなきゃ…ダメ?」
「ずっと疑問に思ってたんだ」
「亜季ちゃんに直接聞けば?」
「出来るならとっくにしてるよ」
「そりゃそうだよね…」
「・・・・・」
「・・・・・」
葵が答えてくれるまで、ここから一歩たりとも動くつもりはなかった。
「わっ‥わかった。答えるよ。瑛太の言う通りだよ」
「やっぱりそうだったんだ」
「もういいでしょ?」
「もう1つ…」
「ヤダよ。わたっ‥」
僕は何かを言おうとした葵の口に手をあてた。
「葵の近くにいた能力者って、亜季ちゃんなんでしょ?」
「さぁ?」
葵は首を傾げていた。
「違うの?」
「私も直接聞いた訳じゃないけど…たぶん…そうだと思う」
「なら何で葵が悪い未来を変えようとした時に邪魔をしたのさ?」
「したくてした訳じゃない…と思う。変えてはいけない未来もあるから…。変えてしまう事で、この世界から存在が消えてなくなってしまう人だっている」
「でも何で亜季ちゃんが?」
「能力者の中には、未来を守る…歴史の修復を使命としている者もいるらしいの…」
「その能力者が亜季ちゃん…それなら仲村さんを助けようとした僕の邪魔をした事も未来を守る為だっていうの?」
「そうかもしれない…」
「誰かが死なないと守れない未来…誰かを犠牲にして守らなきゃいけない大切な未来って一体何なんだよ?」
「私に聞かないで。私にだってわからないよ…」
「そっ‥そうだよね。ごめん…」