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僕は灰の方に視線を送る。
月光は彼の持つ刀を照らし、その瞳を映していた。
こんな状況でなければ、そこに美しさを見出していただろう。
「この方角ならあいつらは追って来れねぇ、さぁ、聞きたいこと聞け」
一から説明してくれるわけではないらしい。
「……じゃあ、さっきの奴らは何?」
正解はないだろうが、最初に聞くのがこれでいいのだろうか。
「あいつらはここよりももっと外側から来たバケモンどもだ。……..あー、外側っつうのはなぁ…」
そこから灰による世界の構造?の話が行われた。
僕らのいる世界は「顕世」と呼ばれており、顕世の内側にある世界「潜世」と外側にある世界「ファトムの霊廟(れいびょう)」の境界線を担っているらしい。
「ファト….ム?の霊廟?ってなに?」
「知らん」
そっかぁ…知らんかぁ。
そこまで言うと灰の表情は曇った。
先ほどよりも少しばかり風が強くなる。
月には雲がかかり始めていた。
「次の質問いい?」
「待て….」
夜風で髪が揺れる。
足元の巨鳥から歯車の振動が伝わる。
時間が止まっている様な錯覚を感じた。
「下だ!!」
無論、現代の平和ボケした僕の脳みそは即座に反応できなかった。
その瞬間灰は僕を突き飛ばした。
ザグン!!!
聞いたことのない鈍い音が聞こえた。
肉が切られ、骨が割れる音だ。
巨鳥から落ちていく僕の目には、
飛び散る鮮血と灰の腕が映っていた。