「岩ちゃんおはよ!」
「おう」
「もう来週からテスト週間だぁー」
「部活やりたいヨォ」
「いいんじゃねぇじゃか?」
「え、」
「勉強の合間にくらい大丈夫だろ」
「…」
「うーん、どうだろ、母さんが許してくれないかも笑」
「ちょっとくらい、いいじゃねぇか、休憩だっていえば」
「それにお前いっつも満点とってんだろ」
「そうゆーことじゃないんだよ」
「はッ意味わかんね」
「とっとと行くぞ」
「ちょっと待ってよぉ!」
「…休憩、か笑」
「できるならやってるよ、岩ちゃんのバカ、」ボソッ
「?なんだ?」
「何でもない!早く行こ!」
岩ちゃんは俺の母さんが厳しいことは知ってる
まぁ狂ってることは知らないけど
岩ちゃんに迷惑ばっかかけて、
ほんと嫌になる
そりゃあんな人から生まれたんだ
俺だって十分おかしい
普通を演じるだけで精一杯
周りからおかしいやつだなんて思われないように
笑、そろそろ疲れたかなぁ、
「及川!」
「任せて!」
バンッ
「ナイスまっきー!」
「今のトスちょっと低かった」
「えっ嘘今の完璧だと思ったんだけど」
「ごめん気をつける」
「おう」
「及川帰るぞ」
「ごめん今日先に帰ってて」
「あ?なんでだ」
「え、っと、女の子からまた呼び出されちゃって☆」
どガッ殴
「いったぁぁぁぁぁぁぁ」
「じゃあな」
「ちょ、、」
「うん、ばいばい」
キュッキュッ
パシュッ
タンっ
はぁはぁ荒
くそ、こんなんじゃダメだ、
こんなんじゃ白鳥沢に勝てないッ
いつか、勝って全国へ、
なんて、いつかじゃない
次の大会だ
絶対に全国に行ってやる
白鳥沢全国へ
「…」
「徹ちょっときなさい」
「はい、」
「あなたのいらない意地で白鳥沢を蹴った」
「うん、」
「そのくせこの結果は何?」
「なんの結果も残せていないじゃない」
「、ごめんなさい」
「はぁ、ほんとあなたなんのために生まれてきたの?」
「ごめんなさい、」
ずっと、罵られてきた
おかげで自己肯定感は地に埋まり
生きづらくなった
普通、俺はその言葉に強い憧れを持ってる
もし普通の家に生まれてたら、
普通の環境が周りにあれば、
普通の家族として、
普通、普通、
普通になりたい
だから今日も普通のフリして過ごす
そうすれば周りは馬鹿みたいに騙される
普通を演じれば周りに沢山人がいる
けどなんでだろ、息がしづらい
コメント
1件
めっちゃ及川さんに共感できる