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??「れい……この子の名前は、日向怜にしよう……!」

?る「怜……素敵な名前ね」



目の前で会話をしているのは誰だろう。オレンジ色の髪の大人。しかも芽衣って、私の名前じゃないですか。体は全然動かせないし、さっきから「あー」とか「うぅ……」しか声も出ないし、手とか何よコレ。まるで赤ん坊みたいな……手……。



「(待ってこれ私、赤ちゃんになってない!?)」



どんな夢を見てるんだ私は。今ならまだ戻れるから、どうかこの悪い夢から早く醒めたい。お願いします、神様。今までは神様なんて全く信じてこなかったし、祈るなんてしたこともなかったけれど、この時ばかりは私も神に祈るしか無かった。このありえない状況が夢であれ、と。





結論から言うと、これは悪い夢でも何でもない、れっきとした現実だということが分かった。この一ヶ月間、ずっと悪い夢だと思い続けてきたがさすがにもう我慢の限界だった。何が悲しくて赤ちゃん時代の、オムツを変えられたり、母乳を貰ったり、目の前でイチャつく両親を見ないといけないの……?


最初の頃は両親がイチャつき始めたら容赦なく泣き喚いてなんとか良い感じのムードを壊したりして回避していた。だけどこの生活を何年も続けるのは無理がある。だからとある時、私はもう全てを諦めて心を無にした。そして両親のイチャつきを見届けた。仏にでもなったような気分。それを超えてからはもう慣れてしまった。もうどこでどう両親がイチャつき始めても私は動じない。


……ところで、私の名前である『日向怜』について。最初に聞いて思ったのはハイキュー!!の主人公である、日向翔陽と同じ苗字だということ。まあでも日向翔陽は漫画のキャラクターだから、本当に偶然日向という姓を持った家庭に生まれただけだろうけど。好きだったキャラクターと同じ苗字に生まれることができたのは不幸中の幸いだったかもしれない。それに、生まれ変わったということはまた一からバレーを始めることができる。それは少し……いやかなり、嬉しいかもしれない。


しかも嬉しいことに、この体は『男』らしい。前世は女としてバレーをしてきたから、今回は男としてバレーがしてみたいなと思っていたから、本当にこれは嬉しい。


そして私……いや、もう俺か。


俺が生まれてから四年後。俺は両親に駄々を捏ねて、真新しい子供用のバレーボールを買って貰った。ここからまた、俺のバレー人生が始まるんだ。

ヤンデレにあいされる日向くん。

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