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片想い

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片想い

4 - 君が世界の中心

♥

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2025年03月04日

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💙翔太side




🖤コーヒー淹れるけど、飲む?


💙うん、ありがとう



目黒の部屋はお世辞にも綺麗とは言えなかった。脱ぎ散らかしたであろう服を雑に畳んで部屋の片隅に積んであったし、読みかけの雑誌もソファに何冊か乗っていた。

俺は座る場所を確保して、ソファに腰を下ろした。


しばらくするとキッチンからコーヒーの香りがしてきた。ばらばらのマグカップを二つ持って、目黒が隣りに座った。



💙うーん、いい香り


🖤康二に教えてもらったんだ、美味い淹れ方。これはインスタントだけどそれなりに美味しく淹れられたはず



目黒から受け取ったマグカップのコーヒーを一口。



💙うまっ!!



俺は思わず目を見開いて叫んでしまった。

なんか、よくわからないけど味のコク?深み?そういうのをいつもより感じる。



その時ただコーヒーを堪能していただけなのに、なんとなく目黒の目線を感じた。

俺は戸惑ってしまう。



時々こうして見つめられているなと思うことがあるけど、俺にはどうしたらいいかわからない。

ただ困惑するだけだ。



🖤俺の声聞きたいって言ってくれてありがとう


💙あ。あれはそういうんじゃなくて…



どういうのだろう?

慌てて否定したものの、うまく説明できない。

俺は言葉を詰まらせて考え込む。

なんていうか、たぶんなんか寂しかっただけなんだと思う。



🖤…仕事の話かな?


💙あ、そうそう。今ちょっと悩んでることがあって…



俺は目黒に不安に思っていることをひとつひとつ丁寧に聞いてもらって、その日は有意義な時間を過ごした。







🖤蓮side





しょっぴーが俺の部屋に来ている。

こうなるとわかっていたら、もっと部屋を綺麗にしておいたのに。

ホテルから直行したから、そんな余裕はなかった。

家に入る前にドアの前で5分だけ待ってもらって、俺は大慌てで部屋を片付けた。 だから、あまり周りを見られるのは恥ずかしい。

しょっぴーは気を遣ったのか、何も言わないでいてくれた。


とりあえず、康二にインスタントでもコーヒーを美味しく淹れられる方法を伝授してもらっておいてよかった。

今俺にできるおもてなしはこれくらいだ。







好きな人が部屋にいる。

ただそれだけで、俺の心臓が早鐘を打つようになっている。

おかしいな。

さっき他の男と寝て来たばかりなのに。



身体じゃなくて、心の方が動くんだな。

こんな感覚は本当に久しぶりだった。



あまり見ていると気づかれてしまうからと視線の置き所に気をつけていても、つい目が、耳が、しょっぴーを追ってしまう。



その日はしょっぴーの仕事への悩みを黙って聞いて別れた。



何時間でも、何日でも、しょっぴーと一緒にいたいと思う。

しょっぴーといる時間は、俺にとっての中心だった。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

9

ユーザー

めめなべ〜🖤💙 次も楽しみにしてるねっ

ユーザー
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いつもワクワクしながら読んでます!次も楽しみです♪

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