陸「……はぁはぁ…苦しッ……助けッ…て…!」
朝、目が覚め確信する。顔周りが熱く、体からはαしかわからない甘い匂い。αは甘い匂いを嗅ぐと理性が止められなくなってしまう。
空「…陸〜甘い匂いがするけどなんか食べ…ッ!」
空「陸?大丈夫か…!?」
陸「薬……とって…きてッ…!引き出し…の1番……ッ…上にあるッ……」
空「分かった。」
空「陸…!これ…」
薬を渡した後、陸は迷惑をかけたと謝ってきた。そんな事思ってもいない、大丈夫。と言った時の泣きそうな目は印象的に覚えてる。
<空視点>
午前の授業が終わり、昼食を取る為にいつもの場所につく。そこに陸の姿はいない。何かと思い、チャットを送っても既読もつかない。電話をしようとしたが、ためらい、結果的にはしなかった。
今日はヒートだし、一人で食べてるのかと考えながら昼食を終えた。
しかし、陸は午後の授業にも参加しなかった。保健室で休んでるのかと思い、放課後に保健室を訪れるも、そこに陸はいなかった。
寮に戻っても陸はいなかった。流石に心配して、電話をかけた。学区外のとある場所にいるらしい。俺は迷わずそこに向かった。
とある場所に着くと、見覚えのある人影が見えた。確信した。陸だ。
目に入る痛々しいほどの殴られた跡。首には強く握りしめたのか跡が残っている。想像もしたくない。
陸は俺を見るなりに溢れるように涙が溢れた。外は寒いので、寮に戻ろうと提案すると、頑なに拒否した。
仕方がないと思い、近くの自動販売機で温かい飲み物を渡し、話を聞いた。
話を聞けば聞くほど陸はつらそうな声で話してくれた。俺は陸を抱きしめることしかできなかった。大丈夫。安心して。頑張った。と何度も何度も同じ言葉を繰り返した。
陸は辛かったこと、助けてほしかったこと。を声に出しながら泣いていた。
俺は決めた。明日の夜に打ち明けるんだ。
今日は忘れられない日になった。
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