テラーノベル
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大きく鳴いている熊蝉の声、じーんじーんと鐘のようだ。赤色のようで暑苦しい夕陽、
「うん、自分でも分かってる」
ハット帽の、緑色の、猫の獣人?いいえ、紳士がそう言ってきていた。途方に向かって。
「言ってはいけない事って。」「でも、そうゆうことを教えたい」
そう言い放ち、静寂の塩辛い風が吹いていた
「わかると思うよ。」「ここのみんなは知ってるから。」
「きっと君も…そのものを見てはいない気がするんだ」
「異変って知ってるかい?」「忘れちゃったかな?」「ほら、あの。なんか」
「ゆらゆらと揺らめいている。幽霊みたいで幽霊じゃないあの色とりどりな…蜃気楼だよ。」
「実は異変ってさ、」
「誰かに改変されているんだって」
…
改変が何なのか、そうと聞くと。返ってきたのは**異変の能力そのものの総称**だということを語ってくれた。
あぁ、なぜ自分はこうも忘れっぽいのだろうか?さっきまでのを聞いて全てを思い出した。
「喩って知ってるかい?」
「…異変が自分たちヒトに憑りついた…喩人の喩」
「実は、異変が喩なんだ。」
「小説で、よく遠回しな表現とか、台詞とか、そうゆうのあるでしょう?」
「その喩でもある」
また、南風が蒸している額を冷やすように、ひゅぅるると鳴っていた
「でも、そのことを知ったら改変されて元からないことになる」
「誰かに改変されて」
「どんなに影響力が強くても、」
「超有名人が取り上げても、」
「本でそのことが載ってても、」
「全部誰かに改変されて無くなる」
「そして、知らないままになる。」
紫色の瞳を垂らして、半信半疑でそう黙々と言っていた
…まだ、風は止んでいない。止んで欲しくない。その願い通りに今もひゅぅるる、ひゅぅるると、海岸通りで遊んでいる
「『古き良き獣』がやってしまうんだ」
「まだ誰も見てないけど、確かにそこにいる、そこにある。」
「『獣』がいる。」
「そんなこと言っても、信じないのは分かってる」
「だから、お願い」「このことは、誰にも話さないで」
一生分の願いをここに詰めているような掠り声で…また
「真実を知ったら、その『古き良き獣』がやって来る」
「真実をどうか、守って欲しい」
「噓つきでもこのことだけは信じて」「噂だと思っててもそのことを言わないで」
「もし…古き獣が貴方の体を使って…自分の所へときてしまったならば。」
「自分はこの声を、捧げるんだ」
「もしも…だけどね」
「またね」
「って言えたらな。」
【喩のしわざ】第0話
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