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チャキッ


聞き慣れた音。


それは彼女の頭に当たっている


ユ「私を殺せたら、返してあげるよ」


彼女は銃を回しながら云う


夜「は…?」


私は彼女の云っている事が理解出来なかった


だって、此処で殺したら_


夜「私は現実世界に戻れないのだよ?」


ユ「…大丈夫!この世界のワタシと云う”人格”が死ぬだけだから」


本当かな…


パシッ


夜「少し考える」


ユ「別に…考えなくとも良いのに」


水面の上に座る


夜「……」


ユ「……」


沈黙。


ユ「夜月はさ、自分の生きている価値について見出した事はある?」


夜「ある。この世に生きている価値はある」


そう云う夜月の表情は何処か読めなかった


夜「あるから死にたいしね、ボソッ」」


ユ「どういう事?」


私は気になった。


土足で踏み込んで行けないというのに気付かず_


夜「…私は自分が判らない」


「ユラは元孤児なのだろう?そしてポートマフィアに拾われた」


ユ「ええ…」


夜「私はね、自分が生まれた時すら判らない。記憶があるのは七歳からだ」


七歳…まだ早い方


ユ「何故七歳?」


夜「…その頃だったかな、先代首領に裏幹部にならないかって。誘われたのは」


空間が黒く蝕められていく


ユ「ッ…!」


この水面の空間は人の心境によって変わってくる


さっき迄は美しい空が地平線まで広がっていたが今は違う。


黒い何かがこの空間を蝕んで行く


そして_


ドプン…


水面の下の空間へ引きずりこまれて行く


ユ「夜月ッ!」


駄目だ…気を失っている…


その間も空間は黒く染まっていく


ユ「夜月の心って…こんなに漆黒なの‥」


この規模は私でも見た事が無い…


自分も引きずり込まれていく


ユ「ッ…夜月ッ!!」


どんだけ叫んでも届かない。


私が彼女をこうさせた


ユ「ッ‥やg_


ドプンッ…



ガタッ


国「太宰?どうした」


太「…何か、声が聞こえた」


国「はぁ?そんな訳_


太「夜月…って叫んでた…」


国「…聞こえたとしても発信源が判らないじゃないか」


太宰は我に帰る


太「嗚呼…確かに」


その瞬間_


ピシャーンッ!


勢い良く雷が降る


国「なんだ…之は」


バァンッ!


太「!!乱歩さん」


乱「太宰…今すぐユラを探せ!」


太「判りました」


ガチャ…


バタンッ!


タッタッタッ…


乱歩さんの云う事は判る


あれは”ユラ”が引き起こしているものだ


太「早く見つけなければ…!」


その時、特徴的な白髮が通りすぎる


太「真逆_」


肩を掴む


振り返ると_



ユ「ッ…ゴポッ」


水面の下は水の中になっている


其処に漆黒が加わるから更に重たい水になる


でも、水の中だから_


ユ「夜月ッ!」


夜月の姿は鮮明に見えた


まだ気を失っているみたい


私はこの空間を強制終了する事は出来ない


この空間を終わらせる方法は夜月が試練をクリアするしか無いから


ユ「ッ…ゴポゴポッ」


空気が口から逃げていく


夜月は息を貯めてすらいない


でも意識が無いからそうか…


この漆黒を終わらせる方法は一つ_


彼女の記憶に潜り込む事!


ユ「夜月…失礼するよ」


頭を合わせると光が漏れ出る


ユ「之は___________________________


探偵社最強、元マフィア裏幹部だった件

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