テラーノベル
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翔太くんと出会ったのは花冷えの季節だった
見た瞬間に惹かれて
触れた瞬間に離れがたくなった
自分のものになったきれいな人が、腕の中で眠る昼下がり
出会ったあの日のことを思い出す
昨晩は遅くまで起きていたし、嬉しい気持ちが溢れすぎて、なかなか寝付けなかった
それはきっと翔太くんも同じで
眠い目を擦りながら、午前中の講義をなんとかこなして帰ってきてすぐ
大きめのソファの上で、2人、抱きしめ合って眠ってしまった
思ってたよりも早く意識が浮上して、辺りがまだ明るいことを確認する
眠っていたのは2時間くらいだろうか
季節はもう新緑が鮮やかになってきた頃だ
そこかしこにはもう夏の気配がある
ちょうどいい気温が気持ちよくて、空調はつけずに窓を網戸にしていたから、時折レースのカーテンがふわりと舞う
カーテンで眩しい光が中和されて、部屋の中は柔らかな光に満ちている
部屋の窓が縁取る真っ青な空を眺めながら、優しい空気に揺蕩う
翔太くんは俺にぴったりとくっついて、安心しきった顔で寝息を立てている
滑らかな頬を撫でて、額にキスを落とす
ゆっくりと瞼があがって、緩やかな瞬きが繰り返される
「翔太くん」
「…………れん?」
「うん」
俺の姿を認識した途端、ふわっと花笑みが咲いて、春の陽気のように空気が和む
つられてこちらも口角があがる
「ん〜……気持ちよく寝れた」
「うん、でもそろそろ起きないと、夜寝れなくなっちゃいますから」
「ん、蓮」
「なんですか?」
「だいすき」
「ふふふ、俺も大好きです」
引き寄せられるようにして唇を重ねる
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