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荻一野
3,847
ー 注意事項 ー
・こちらはmnps様の二次創作となっております
・ご本人様や関係者様とは一切関係ありません
・この作品にはBL要素が含まれますので、苦手な方はご注意ください
ご理解いただける方は、ぜひ楽しんでいってください!
昼休みが終わる頃。
教室には、まだ手話の話題が残っていた。
「『ありがとう』ってこう?」
『惜しい。』
「えぇー!」
笑い声が広がる。
shkもつられて笑った。
転校してきた初日には。
こんな日が来るなんて思っていなかった。
「shk。」
手話で名前を呼ばれる。
smだった。
『次、移動教室。』
「あ。」
すっかり忘れていた。
『ありがと。』
二人は教科書を持って教室を出る。
廊下。
周りにはたくさんの生徒が歩いていた。
みんな話している。
笑っている。
でも。
shkには何も聞こえない。
人の流れだけを見ながら歩く。
その時。
後ろから誰かが走ってきた。
shkは気付かない。
smだけが気付いた。
腕を軽く引く。
shkの体が一歩後ろへ下がる。
その瞬間。
一人の男子生徒が勢いよく目の前を駆け抜けていった。
「……!」
shkは目を見開く。
あと少し遅かったら。
ぶつかっていた。
smは手話で聞く。
『大丈夫?』
shkは何度か頷いた。
『ありがと。』
smは安心したように息をつく。
その様子を。
少し離れた場所からakが見ていた。
「……。」
pyが隣へ来る。
「どうしました?」
「いや。」
akは二人を見つめたまま笑う。
「smって、あんな顔するんやね。」
「どんな顔ですか?」
「めっちゃ心配してる顔。」
pyも視線を向ける。
確かに。
普段は表情をあまり変えないsmが。
今は少しだけ眉を寄せていた。
「大事なんでしょうね。」
pyは小さく呟く。
放課後。
shkとsmは並んで校門へ向かっていた。
夕日が校舎を照らしている。
『今日。』
smが手話をする。
『楽しかった?』
shkは少し笑う。
『うん。』
『みんな優しい。』
少しだけ間が空く。
それから。
shkはsmを見る。
『でも、一番最初に話しかけてくれたのはsm。』
『だから。』
『一番安心する。』
その手話を見た瞬間。
smは固まった。
目を少しだけ見開く。
shkは首を傾げる。
『……?』
smは慌てて目を逸らした。
耳が。
ほんの少しだけ赤い。
『……帰ろう。』
短い手話だけ残して。
少し早足で歩き出す。
「え、ちょっ……。」
shkは思わず声を出してしまう。
慌ててsmを追いかける。
その後ろ姿を見ながら。
shkは少し笑った。
「照れてる……?」
もちろん。
その呟きは。
自分にも聞こえなかった。
コメント
4件
いいね!!耳聞こえないパロ故に感情の書き方が結構大事な気がするけどめっちゃ感情の書き方とかが言葉からわかってきてて好き!!あとあと!クラスにいい人ばっかでよかった!いじめられてたらぶちころ((((
うわあ、この距離感がたまらないですね……! smがshkを咄嗟に避けさせた場面、あれで「ただのクラスメートじゃない」って空気が一気に濃くなりました。しかもその後、akがsmの顔を見て「めっちゃ心配してる顔」って言うところ、第三者視点が効いててグッときました。最後の「照れてる……?」も、声に出せないから余計に胸に響く。この「音のない世界」で育まれる感情の繊細さ、本当に丁寧で素敵です。