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#妄想
memi(めみ)
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勇斗を見つめながらそう言った。苦しかった。
でも柔太朗への気持ちで勇斗に縋るのは違うから…
🩷「……分かんない、か」
💛「……うん」
🩷「じゃー、、俺の勝ちだね」
💛「…へ?」
🩷「だってさ、俺のことは好きで柔太朗のことは分かんないんだよね?」
💛「う…うん…」
🩷「なにをそんなに悩む必要があるの?」
💛「え…」
🩷「仁人は俺を裏切ったと思ってるかもしれない。…でも今の話聞いた限りおまえは悪くないよ」
💛「え…?」
🩷「柔太朗が仁人の弱みにつけ込んで無理やりヤった。そうでしょ?」
💛「ちがっ…」
🩷「違わないよ。ねえなんで仁ちゃんはそんなに優しいの?」
💛「…おれ優しくなんかない」
🩷「優しすぎるよ。でもそのせいで俺も柔太朗も傷付いてる」
💛「…っ」
🩷「ハッキリしない所はおまえが悪いよ」
次々に冷静に言葉をぶつけられ返事もまともにできない。
全て正論だった。
でもこの気持ちはどうすればいい…?
💛「……」
🩷「ハア」
💛「はや、と…」
🩷「じゃあさ、想像してみて?」
溜め息をついた勇斗が話し出す。
急に話が切り替わり戸惑う。
🩷「俺がさ」
💛「…うん」
🩷「ある日突然、他の誰かを抱いてきましたって言われたら」
💛「……」
🩷「仁ちゃんはどう思うの?」
言葉を無くす。
🩷「仁ちゃんが好きな俺に、その子のこと好きか分からないって、言われたら?」
💛「…っ」
🩷「迷ってますって言われてみ?」
💛「…ぁ」
🩷「どんな気持ちになる?」
諭すように勇斗に言われハッとする。
💛「……」
🩷「…これでもダメなの」
💛「…ぇ」
🩷「そんなに柔が大事?」
💛「…」
🩷「………俺と別れることになっても?」
💛「そ…れは…」
🩷「柔を選ぶの…?」
苦しそうにそう聞かれ胸が押しつぶされそうになる。
今日初めて表情を崩した勇斗の顔が俺の心を引き戻した気がした。
🩷「仁ちゃん…」
💛「はや、と…」
🩷「俺のとこに戻ってきてよ…」
💛「…っ」
🩷「お願いだから…っ…心までどっか行かないで…」
ギュッと祈るように握りしめた両手に勇斗が俯き額を押し当てる。
胸が張り裂けそうだった。
💛「はやとっ…」
勇斗の隣に行き一回り大きい体を強く抱き締めた。
🩷「仁…ちゃん…?」
💛「ごめんっ、、俺…ほんとにごめんっ」
勇斗の鼻をすする音が聞こえる。
💛「不安にさせて、ごめん…っ」
🩷「…っ」
💛「全部、ごめん、ごめんなさいっ」
泣きながら謝る俺を温かい腕が包む。
抱き締めたと思っていた身体にいつの間にか抱きすくめられていた。
💛「ごめん…」
🩷「…」
💛「ごめんな」
🩷「…」
💛「柔には、、ちゃんと話す」
🩷「…」
俺を包む腕にグッと力が込められた。
🩷「仁ちゃん」
💛「…ん?」
🩷「ごめん、俺不安だよ」
💛「え…」
🩷「今の仁ちゃんを柔のとこに行かせたくない」
💛「…」
🩷「なんか…簡単に奪われそうで怖い」
その言葉が重かった。
今回の事で俺たちの間にあった無言の信頼が崩れ去ったのだと改めて気付かされる。
💛「ごめん…」
🩷「んーん…仁ちゃんが俺のことちゃんと選んでくれたから…もういいよ」
💛「…」
🩷「…でも約束して?」
💛「…?」
🩷「もう二度とどこへも行かないって、約束して?」
💛「、っ」
🩷「俺だけの仁ちゃんでいて…ずっと、」
💛「…わかった」
🩷「ほんとうに?」
💛「…ほんとに」
🩷「絶対だよ?」
💛「わかった、、」
🩷「無理してない?」
💛「してない」
🩷「絶対離さないからね」
💛「…うん」
🩷「絶対……」
ぎゅううっと抱き締められて息が詰まる。
それでも俺は抵抗しなかった。
軋むような身体の痛みも今は嬉しかった。
🩷「仁ちゃん、、仁ちゃん、」
💛「ん…」
まるで1ミリも離れないように身体をくっつけられて安心する。
けれど俺の罪悪感は消えない。
🩷「好きって言って…?」
💛「…すきだよ」
🩷「ほんとに…?」
💛「勇斗が好きだよ」
🩷「俺だけ?」
💛「うん…勇斗だけが好きだ」
嘘じゃなかった。
俺は勇斗が好き。
勇斗だけが……
―――
🤍視点
🤍「……」
一人、ベッドに沈む。
まだそこに仁ちゃんが居た痕跡を探して苦しくなった。
🤍「…仁ちゃん…」
仁ちゃんはきっと二度とここへは来ないだろう。
いや…勇ちゃんがきっと来させない。
俺は知ってる。勇ちゃんが仁ちゃんを簡単に離すはずがない。
仁ちゃんは今頃勇ちゃんの胸で泣いてるだろう。
🤍「苦しめたくなかったのにな……。」
仁ちゃんとここで過ごしたことが夢みたいに、明日からまた以前の日常がきっと始まる。
辛いけど、また以前に戻るだけだ。
俺は俺の日々を過ごす。
勇ちゃんが仁ちゃんにまた過保護になって、それを見て少しイラついて。
慌てたような仁ちゃんを可愛いな、なんて思って。
俺のものだったら良かったのに。
そう思う日常。
🤍「知らなきゃ良かった…」
この部屋で俺に向けられた情欲と信頼しきったような甘い笑顔。
それがこんなにも俺を辛くさせるなんて。
🤍「自業自得……」
そう呟いて目を閉じた。
fin
――――――
あとがき
長いお話に付き合って下さりありがとうございました!
また書けたら投下していきます。