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15.―― 白昼夢の中を見続けている女医の六田亜矢子は ――
私は白昼夢の中でものすごい孤独感に襲われていた。
嶋香織は、なんどもこれが夢であってくれたら、と思っている。
その気持ちが私に浸透してくる。
きれいな女性、大山貴理さんはご近所の女性だ。
何で私、今、嶋香織なの?
おかしい、私は六田亜矢子よ。
これはまさかの夢なの?
自分が今まさに直面している問題に何かリンクしてんのかしら?
あぁそうか、深い悲しみっていう部分にリンクしてるんだよなぁ。
どうしよう、気持ちが現世に半分戻っているようだけど
もう起きようか、どうしよう。
あぁ、だけどまだこの先の夢を追えるんだったら香織さんの先行きが
知りたい。
だってこのままこの夢を終わらせちゃったら寝覚め悪すぎるよぉ~。
半分夢の途上でそう考えた私は、無理に起きず、夢をこのまま
続行できるのならと、意識を敢えて覚醒させず夢と現世の
狭間に置いて様子を見ていた。
気がつくと夢の中に戻れたようだった。
◇ ◇ ◇ ◇
その夜は香織は流石に芯から眠りにつくことはできず、
「紀ちゃん、明日会えない?」と紀子にメールを送った。
香織が寝れないで幼友達の香織にメールを送ったところまでは
六田亜矢子として香織の様子を見ていた感じだった。
そして亜矢子はまた深く深く、夢の中へと潜っていった。
◇ ◇ ◇ ◇
幼い頃から仲良くしている相場紀子は、かけがえのない友達で、
惨めな自分もさらけ出せる相手だった。
翌朝、紀子から早速返信が届いていた。
「分かった、家においで! 待ってるよ。
久し振りにカレーパーティーしよ」
◇紀子の家で
紀ちゃんのカレーを食べていたら……
「もしかしたら、啓吾の家に凸してきた? 」って聞かれた。
「うん。ねぇ、何で紀ちゃん啓吾の家に行ってこいって
私に言ったの?
私行かなければ良かったよ」
涙目になってしまい、声も少し震えてしまった。
そんな状態で、紀ちゃんに八つ当たりみたいな台詞を吐いてしまった。