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「無理だよ、人を殺すなんて、出来ないよ…」
「身体が_動かないんだもん、」
ケヤキ「…」
「おかあさっ_」
「なんで!?あんたはそうやって作られたんでしょ!?」
「そうかもしれないけど_なんでこんな、中途半端にしたの?」
「不完全じゃなきゃいけなかったの_」
「_あの子の痕跡を_消したくなくて…!!」
「けど_ダメで…憎くて、あいつに、タヒんでほしくて、でも_でも…」
「██を…愛してるのだけは…変えられなくて…!!」
ケヤキ「…人間とAIの共存なんて無理だよ…」
ケヤキ「…だって僕は_共存出来なかったいい例だから」
ケヤキ「…AIの支配を謳うmiaなら、僕を殺せるのかと思ってたのに」
ケヤキは、人間としても、AIとしても不完全だ。
“シンギュラリティに到達出来なかった者“は、もう戻れない。
与えられた脳のデータはとうの昔に壊れ、何かを長く記憶することが出来ない。
残された人の身体は脆く、弱い。人すらも殺せないほどである。
彼にはもう残されていない。
誰かを怨み、呪うことしかできない。
「_僕が、怨みで生まれたから?」
「お父さんを殺そうって、魂胆で生まれたから?」
「…」
改造された自らの腕を見る
感覚は少しある、それなのにやはり、現実味は感じられない。
_何故、抗おうとしている?
_何故、生きようとする?
問うて問うても変わらない、心臓は動いているのだから。
記憶が塗りつぶされたとて、今ここで1人、生きているのだ。
人を殺すのが、嫌いだ。
人々のエゴで、その人に罪があろうとなかろうと、私刑を下すのは勝手だ。
ケヤキはずっと、そんな思いを抱き、それを踏みにじりざるを得なかった。
きっかけは単純だ、
母が、父と離婚した。
不安定な母は、父を過剰なほど怨み、殺しまで考えようとした。
そして、そのためにケヤキを改造する事を選んでしまった。
ケヤキ (…地獄だった。)
思い出してしまうから。
殺したくなかった。
ケヤキ(…けれど、大人は、僕より年のいった人はみんな、みんな僕が人を殺すことを望んだ。 )
すた、すた。
足音が、後ろから近付く
それは少し、聞き慣れた足音。
振り返ると、朝焼けに照らされたリボルバーがケヤキの目を真っ直ぐ見て、立っていた。
ケヤキ「…どうかいたしましたか。」
ケヤキは、逆光で暗く見えており、それはまるで、対比でもしているかのようだ。
ケヤキ (…あの人は、未来に向かって、頑張っている。)
ケヤキ (…けど僕は違う。)
ケヤキ (…現在すらも、未来すらも、怖い。)
ケヤキ (…これから生きていても、また_殺すことを求められて_)
そう考え込むケヤキの呼吸は少し浅かったが、それが元に戻るまで、リボルバーは待ってくれた。
ケヤキ (…ありがとう、リボルバーさん。)
リボルバー (………)
リボルバー 「…ケヤキさん。」
ケヤキの呼吸が落ち着いた頃、リボルバーは話しかける。
リボルバー「御三方が、危ないのです。」
ケヤキ「…そっか。」
ケヤキ「…あの社長は厄介で、ロボットだってたくさん生産している。」
ケヤキ「三対何百だと、負けるに決まってる、よね。」
sepia「…はーっ…はぁ…はぁ…」
ここにきて、ケヤキが持っていた刀の刃を掴んだ時からだらりと流れていた血が、影響を及ぼし始めた
もう、誰も彼も限界であった。
戦闘は長くなりすぎたのだ。
sepia「…駄目、だ。最後に、通信を…」
sepia「…リボルバー、全員、限界だ。」
リボルバー「…!そんな、」
sepia「かなの気絶は続くし、俺も貧血かな、もう視界が…おかしい。」
sepia「りさも…過労だろう、な。」
sepia「…ケヤキ、居るんだろ。 」
ケヤキ「…sepia…ごめん。僕が…」
sepia「謝るなよ…。」
ケヤキ「……あのね、一つだけ、こんな状況一発で終わらせられる方法がある」
sepia「…ロクなもんじゃなさそうだけど」
ケヤキ「…はは、その通り。sepiaは好まないだろうね。」
ケヤキ「………全部壊すの。」
sepia「…そう、か。」
sepia「…ケヤキが1番…嫌いそうな事だな?」
段々と、sepiaの声は弱く掠れていく。
ケヤキ「…そうだね、なるべく取りたくない手段。」
sepia「…うっ…」
sepia「…っそれは…最終手段にしてくれ…」
ケヤキ「…そうだね、わかった。」
明らかに疲弊した声が、限界を迎えたとでも言わんばかりに弱くなる
sepia「…かたな…は…置いてある……座標は…送った。」
sepia「俺らは…ここで…休むよ…。」
リボルバー「…sepiaさ…!!!」
通信も切らないまま、sepiaから声が返ってくることはなく、バタリと倒れる音が聞こえた。
ケヤキ「…僕が行くしかないんだね。」
リボルバー「私もお供します。」
ケヤキ「…ありがとう、リボルバーさん。」
あの場所で、何が起きようといい。
この怨恨を終わらせると。次へ、未来へ進むと、決意したのだから。
2人は随分と手薄になり、ボロボロになってしまったmia支社に踏み入る
リボルバー「…停電?」
ここは静かだ。先程まで戦闘していたとは思えないほど。
??「えぇ。ここは停電しているわ、ふふ。」
ケヤキ「ひっ…!だれ…って、りささ…」
りさ?「えぇ、りさ…って訳でもないんだけどね。」
明らかに、雰囲気が違う。
りさは、こんな余裕そうに笑う人ではない。
りさはありえないほどに冷静で_何より、sepiaから、疲労で倒れていると言われた。
りさ?「…ふふ、あの子、結構人脈も増えたのね?」
リボルバー「お前は誰だ。」
りさ?「sepiaだっけ?って子の傍で倒れてる、かなちゃんにでも聞けばいいんじゃないかしら。」
りさ?「行くよ、ここの社長って人を殺したいんでしょう?」
ケヤキ「…は、はい、でも教えていただかないと、あなたを信頼する理由が…」
りさのような何かは、その言葉に対し深くため息をつく。
りさ?「あの子は、この泥沼化した長ったらしい戦いで、限界になっちゃった。」
りさ?「だから、変わってあげた。」
りさ?「これでいい?」
再度ため息をつく。
りさ?「…あの子に、こんな所で倒れられても困るからね。」
そう言って、不敵な笑みを浮かべた。