テラーノベル
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あなたがなおしてね
5話 最終話
#四季愛され #ますしき #ドールバース
01
暗い。ここはどこだ?そう思いこれまでに至る経緯を俺は思い出した。そう、俺は真澄隊長と両思いになった。だけど俺はドールだから崩れたんだった。にしてもここはどこなんだ。暗い。周りが全く見えない。少し怖い。崩れたドールの魂は自由に動けるんじゃなかったのか?真澄隊長…
とりあえず進んでみよう。魂だけといっても身体の形はある。いわゆる霊体ってやつだろう。きっと何者にも見えないし、何物にも触れられない。
しばらく進むと急にどこかから声が聞こえた。聞こえたというか脳に直接語りかけてきてる感じである。
「どこにいくの?」
『出たぁぁぁぁぁ!?幽霊はほんとに無理なんだって!!!…あれ?』
幽霊が苦手な俺はどこからか聞こえた声にビビり、思わず血蝕解放するために指を噛みちぎろうとした。だが指が自分の口をすり抜けた為、血蝕解放はできなかった。抵抗する手段がないことに絶望していると目の前に小さな男の子が現れた。
「そんな騒がないでくれよ。これが未来の自分だと思うとすっごく恥ずかしいんだけど」
『誰だ…って…もしかして俺…なのか?』
「そうだぜ?正真正銘6歳の一ノ瀬四季だ!」
そこに居たのは過去の俺だったのだった。
『な、なんで…まさかドッペルゲンガー!?』
「いや違うけど…俺自身がドールっていうファンタジーなのに同じファンタジーを怖がってどうすんだよ…」
『だ、だって…てかここどこだよ?お前知ってるのか?』
「ここは地獄でも天国でもない。そして現世でもなければ幽世でもない狭間だ。」
『狭間…?どうやったら現世に戻れるか知ってるか!?俺早く真澄隊長のところに行きたいんだけど…』
「…真澄くんのところ?なんで?」
『は?なんでってそりゃ…』
「真澄くんのせいで壊れたのになんで?」
『は?真澄隊長のせいじゃねぇけど…』
そうおれが否定の言葉を言うと目の前の子供はくるくると回り始めた。踊っているかのように。
02
「違うよ。真澄くんのせいだ。真澄くんが俺の事わすれるからだ」
『それはしょうがねぇことだろ』
「忘れたの?お前が生まれ変わった理由」
『もちろん真澄隊長に会うためだけど…てかさっきから何言って』
「真澄くんにあってどうするの?どうなりたいの?」
『は!?そ、そりゃ真澄隊長と?こ、恋人になれたらな…とは思ってるけど…とか何言わせんだよ!』
俺は少し恥ずかしながら言った。すると回っていた子供が動きを止めて今度はステップを刻むかのように踊り出した。
「嘘つき」
『は?嘘じゃねぇけど。てかさっきからお前言わせとけば…』
「嘘つき。嘘つきお前こそ忘れてる」
『何を…』
「俺等が生まれ変わる理由」
『それは持ち主に会いに行くためで…』
「会ってどうするの?なんのために会うの?愛の為?違う、違うよ」
目の前で踊り続ける子供が少し怖くなり、俺は1歩後ずさった。
「お前、人形のとき幸せになれた?」
『…幸せだったけど。真澄隊長のそばに居れて…』
「じゃあなんで成仏しないの?未練がなかったら成仏するはずなんだよ俺等は。」
子供は途端に動きを止め、俺に背中を向けた。そして首だけがこちらに向いた。まるで壊れた人形かのように。その姿があまりにも怖く、俺は今すぐにでも逃げたかった。けどいつの間にか後ろは壁だった。
「ドールは強い憎しみを持って産まれたよ。生まれ変わったよ。」
『ッ…誰にそんな気持ち抱くんだよ…』
「真澄くん以外に誰がいるの?」
『なんでだよ!?』
「だって…あんなに熱かったのに。痛かったのに。なのに…なのに!!! 」
03
目の前の子供が居た場所に火が上がり始めた。気づけば目の前は火の海で、燃え盛る赤の中に子供の影が見えた。
「ア゙ア゙ア゙!!アツい!アツイヨ!いたい、イタいヨォォ!ます、みくん!たす。たすケて」
子供の影はどんどんはっきりしてきて、皮膚が爛れ落ちて、目玉は今にも落ちそうで、あまりにもグロテスクだった。普通なら絶対目を逸らす。なのに不思議と目が離せなくて、その姿を俺はジッと見つめるだけだった。
「なんで真澄くんは来てくれないの!?いつもそばに居るって言ってくれたのに!!離さないって!!嘘つき!嘘吐き!嘘ツキ!!」
そうだ。思い出した。俺は、真澄隊長を殺すために生まれ変わったんだ。
04
あの火事で俺は焼けた。真澄隊長がずっと一緒に居てくれるって約束してくれたのに、助けてくれなくて、あつくて、痛くて、助けて欲しいのに。でも人形だから。人形だから助けてくれなかった。真澄隊長の嘘吐き。その憎悪だけが残って俺は死んだ。生まれ変わったばかりも真澄隊長のことだけを考えてた。どうやって殺すか、心中してるやるかを。でも親父がその憎悪を閉まってくれたんだ。家族というものを知って、真澄隊長とは違う愛をくれた。そしたら純粋な好きの気持ちも取り戻して、俺は憎悪を自分の奥深くに閉じ込めた。目の前の子供はその時の俺だ。
全て思い出した俺が感じた感情は怒りでも、それこそ憎悪でもなかった。この気持ちは、感謝だった。
05
俺は炎の中に飛び込み、燃える子供を抱きしめた。
「ありがとう」
『…ァ?』
「お前のお陰で今の俺がいるよ。たしかにこの気持ちを忘れた訳じゃない。それでも、それでも俺は真澄隊長が好きだ。大好きだ」
『な、ナンデ…?』
「それはお前が1番分かってるはずだ。俺…いや俺達は例え真澄隊長に嫌われても、どんなことをされても、憎悪を抱いても、それでも俺達は真澄隊長を嫌いになれない。」
『…アツクナイノ?』
「それにさ、俺今炎鬼なんだ。ずっとさ、なんで炎鬼なんだろうって思ったんだ。でもさ、こうやってお前を抱きしめるためだったのかもな。過去の消えない炎を受け止めるためだったのかもな」
『ず、ルイ』
「おう。」
『おれ、ダッテ。ますみクンガ、好キ。だいスき』
「だよな」
『なのニ、ずっト、とジコめられて、もット憎クて。きらィな、ハズなのニ』
俺は黙って聞いていた。
『まダ、オれ、真スミくんのコト、だい、好キだ。好キなきもち、キエない』
「…だろ?」
『わす、レないデ』
「忘れない。」
『デも、好キで、イテ』
「もちろん」
『…しあヮせに、なってネ、ありガと』
「こっちこそ…ありがとう」
その途端に子供の姿をした俺は塵になって消えた。周りの炎もいつの間にか消えていた。
「…忘れないよ。お前のこと。ずっと抱えて生きてくよ。お前も。俺だから」
〔…! 〕
どこかから声が聞こえた
〔…き!〕
あぁ。この声は。
〔四季!〕
大好きな人の声だ。
06
「四季!」
「…真澄、くん?」
「…やっと起きたか。オヒメサマ。」
あぁ。目の前に大好きな真澄隊長がいる。ずっと探してた人。俺は起き上がって真澄隊長を抱きしめた
「てめっ…急に抱きつくな…まだ直したばっかなんだからよ」
「真澄くん…!ありがとう!ありがとう…!」
「…たりめぇだろ」
俺は1度真澄隊長を抱きしめるのをやめて、真澄隊長を見つめた、そしたら涙が出てきて、今迄の気持ちが全部溢れてきた。
「あの、ね。ずっと前から、人形の時から、真澄くんが好きでした。大好きでした、こんな俺だけど、付き合ってくれますか…?」
目の前が見えないほど俺の涙は零れ落ちていた。すると真澄隊長は俺の目元に触れて、
「そんなに泣くな。目が腫れるぞ。…悪かったな。忘れてて。…お前はお前のことを忘れちまってた馬鹿な俺を好きでいてくれんのか?」
「う”ん”…!真澄隊長以外ずぎになれ”ない”! 」
「だから泣くなって…そんで、付き合ってくれんだな?」
「おねがい”じまず」
「…言っとくが俺はもう二度とお前を離さねぇからな。」
「はなさない”で!いっしょにい”て!」
「わぁったわぁった…大好きだ…四季」
そう言った真澄隊長の顔は優しく微笑んでいた。
07
「四季くーん!直って良かったね!!ちゃんとまっすーとも付き合えたんでしょ!?もーほんとおめでと!!まっすーもおつかれー! 」
「チャラ先!それにムダ先も!!」
「相変わらずペラペラうるっせぇな…」
「体はもう平気なのか?」
「めっちゃ元気!」
「良かったー!なんか異変感じたらすぐに俺に言ってね!てかてか2人の結婚式呼んでよね!」
「け、結婚式!?ちゃ、チャラ先さ、流石に早いというか…!」
「四季、バンジーロードは俺にやらせてくれないか?」
「ムダ先まで!?ちょ、2人とも…そもそも俺等男同士だし…結婚式とかって…それに真澄隊長だってやりたくないと思うし…」
「勝手に俺の気持ちを語るな。…まぁたしかに結婚式のバンジーロードは無陀野が適任か?」
「真澄隊長!?」
「四季、隊長呼びはやめろ」
「えー…ま、真澄くん…?」
そういった途端にチャラ先が吹き出して笑いだした
「し、四季くん、まっすーのこと真澄くんって呼んでるの…wwwだめだwww笑いがwww」
「…いっぺんシバくぞ京夜」
「だってwwwwひぃお腹痛いwwww」
「無陀野も肩震わせてるんじゃねぇ。四季、くんはやめろ。」
「じゃあ真澄さんか」
「それでいい。そうだ四季。今度九州行くぞ」
「…え? 」
「桃瓦に会いに行く。彼奴との約束だからな」
「え、その人って親父の兄弟だよな!?真澄さん会ったの!?」
「色々あってな」
「そーなんだ…」
「あ、四季くん。そういえばなんだけど迅々達もこっちに来てて、こっちくるって。」
「まじ!?」
「さっき連絡したら全員すぐにこっちに来るそうだ」
「じゃあお前らはさっさと去れ。こちとらまだ四季が目覚めてから時間経ってねぇんだよ。すぐにお前らが来たからな」
「はいはい。じゃあダノッチ。俺らは一旦行こっか」
「嗚呼。…四季」
「ん?なに?」
「…幸せにな」
「!もちろん!!」
07
あれからすぐに皇后崎達が来た。でも真澄隊長…じゃなくて真澄さんの機嫌がどんどん悪くなってきたから後日遊びに行くという形で今日は帰ってもらった。そしたらその後馨さんが来た。馨さんに俺が崩れた後のことを説明してもらい、改めて真澄さんが俺のために頑張ってくれたことを知った。俺はまた涙が出そうになったけど我慢した。偉い俺。
…とまぁ真澄さんと無事に結ばれた訳だしめでたしめでたし。
忘れてないよ。お前のこと。きっとこれから真澄さんと喧嘩するし、そんでまた仲直りするんだ。俺はどんなことが会っても真澄さんが好きだから。だからこそこの気持ちも大切にするよ
あとがき
はい最終話です!!!これとProlog部分書きたくてここまで頑張りました!!!なので3話ぐらいからグダグダでしたがここまでお付き合い頂きありがとうございました!また次の連載などで会いましょう!
コメント
6件
最初から最後まで凄く素敵なお話で感動しました!
書き忘れてた小ネタです 子供四季くんが踊ってたのは炎の中で暴れ回って苦しんでる姿を表してました。どっかで火の中で暴れ回る姿はどこか踊ってるみたいだと聞いたことがあったので