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──あぁ、“全て、思い出した”
ラヴェジャーからの突進からブラックを庇って、ラヴェジャーと共に崖から転落したこと。
そのあと、“両親”が生きていて、“エウリ”や“ライト”が生きている世界線で過ごした事。
“カミサマ”に“すまないスクールの先生としてレッド達と過ごしていた日々の記憶”を奪われたこと。
「・・・あぁ・・・あぁ!!」
──思い出したくなかった。
──思い出したかった。
──エウリやライト、父さんたちがいないことを。
──生徒たちと過ごした楽しくて幸せな記憶を。
ふたつの感情がせめぎ合い、すまない先生は顔を覆い、泣き出した。
「・・・ごめんっ・・・ごめん・・・エウリ・・・!僕は・・・俺は・・・君を・・・君たちを・・・・!!」
泣き叫ぶ“すまない先生”に対し、エウリは優しく抱きしめた。
「・・・やはり、私の知ってるすまないさんではなかったんですね・・・少し、不思議だったんですよ。」
エウリは思い出していた、ライトとすまないと瑞穂の国を回っていた時、
時折、少し寂しそうな、嬉しそうな瞳をしていた。
それが“ここを見ているよう”でもあったし、“ここでは無いどこか遠いところを見ていたような”感じだった。
「・・・なにがあったんですか?詳しく、教えてくれませんか?」
そう優しく問うと、すまない先生は涙ながらに頷き、ポツポツと話した。
✵✵✵✵✵
「・・・なるほど、話をまとめますと、“カミサマ”と名乗る人に水色の球体を取られた途端、生徒さん達のことを思い出せなくなった・・・と?」
「・・・ゔん・・・」
すまない先生は鼻を啜り、頷いた。
「うーん・・・人間を構成する三要素を取り入れてるのであれば・・・恐らくそれは、“魂”ではないのでしょうか?」
「・・・魂?」
「はい、話を聞いたところ、すまないさんは大怪我して、目が覚めるとこの私もライトさんもすまないさんの両親も生存している“ここ”に居た。ということですよね?恐らく、“肉体”はその大怪我して、すまないさんの現実に置いてあるはずなので、今のすまないさんは“魂”か“心もしくは精神”状態だと仮定して、その“カミサマ”が奪ったものが、生きるエネルギーであり、肉体の本質である“魂”だと仮定すると、今のすまないさんは“精神”として私たちが知ってるすまないさんの体をお借りして、このもしもの世界を見ていたのではないですか?」
「ご、ごめんエウリ・・・もう少し分かりやすく・・・」
エウリの長々とした説明に軽くショート寸前のすまない先生。
エウリは頬を染め、慌てて分かりやすく説明した。
「そ、そうですね・・・分かりやすく言えば、今すまないさんの“肉体”は、“そのまま”。
“魂”はその“カミサマ”の手元に。
“精神”は“こちらのすまないさん”に乗り移ってる・・・幽霊みたいな者・・・ということではないのでしょうか?」
だいぶ分かりやすくはなったが、それでもまだ上手く理解出来ていない。
「私自身、この世界がその“パラレルワールド”の1部。とは今のすまないさんに会うまで、考えたことありませんでした。だからと言って、カミサマが用意した“舞台”とも思えません。」
「うん、それは僕も思う。だって、ここで過ごした出来事は・・・まるで“本当と大差ない”ほどの出来事だったから・・・」
そうすまない先生は、自分の手を握ってみる。
先生として過ごしていたあの記憶とほぼ変わらない。
まるで、この世界は“本物”のように。
すまない先生は、覚悟を決めたように前を向いた。
「・・・僕は・・・目を覚まさないといけない・・・けれど・・・目が覚めた世界には・・・君たちは・・・!」
すまない先生は、拳を強く握った。
その手をエウリは、優しく手を置いた。
「・・・すまないさん・・・あなたは、“どうしたい”ですか?」
エウリの優しい声色に、すまない先生は、震える声でこぼした。
「・・・僕は──・・・」
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