個性社会…そんな世界である怪盗がまた盗んだと騒がしくなってきた時のとある屋敷…
【今日の活動も完璧ね♡】
「気をつけなさい?ヒーロー志望でこんな泥棒してるの私たちしか居ないのよ?」
【船長は厳しいのぉ〜…それに私は怪盗★あと、船長だって泥棒履歴あるじゃないのぉ】
「あれは私の全盛期だっただけ!」
【またまたぁ〜♡】
そんな会話をしてる暗い部屋に出どころ不明の金銀財宝。
これは、海賊、怪盗でありながら二重人格ヒーロー志望のある女のお話
私の戸籍名は霊華 海鈴。家出してるけど親はどっかの県にいるとかそんな感じで誤魔化してるわ。個性は武器生成ってことにしてるの。 元は轟家に生まれた子供。前世は海賊団の船長、マリン。
「で?あなたは誰?」
【ヒーッ💦船長怖!私は名前を捨てたの!別名|夜狐仮面♡怪盗よ】
「変態ね…」
【酷くないかしらん?】
彼女は私の中の別人格のみたいで怪盗の一族らしいわ…
【聞こえてるわよ〜♡】
「…ますます変態ね」
【冷静に言わないで?アタシが傷つくからそれに念じれば口に出さなくてもいいわよ♡】
「はいはい」
色々話し合った結果仲良くなったわ。
この身体の個性は目。 使えるのは先読み、透視、視力アップ、幻術。 幻術の発動条件は視線を合わせる。長時間使うと目から血が出る。しれっと凄いわね…
私はというと武器生成で、どんな武器でも作れるけど作りすぎると精神力が削れる。私の精神力や身体の使い方でそうそう負けることは無いわ。
仮面ちゃんは隠密。分かりやすく言えば透過ね。本人の技術で化けるのも潜入も気配消しもプロ。 仮面ちゃんは怪盗の活動をしたいらしいのよね。
怪盗一族としてのプライドかしら?私たちの身体はヒーロー志望だったけども個性の発現が遅かったから無個性扱いされて家出して自殺したみたいなの、だから私たちが有難く身体を使いつつヒーローに向けて身体の復讐と弔いをする事にしたわ。
「それにしても…私が主人格ってどういうことよ」
【まぁまぁ…もしアタシが主人格だとどうなると思う?船長さん♡】
「ヴィランまっしぐらね…」
【そういうこと♡】
「今日が雄英高校入試試験当日ね」
【頭の方は任せなさい♡海賊の船長とは違ってこの世界の歴史は分からなくても他は教育で完璧よ♡】
「歴史は私が全力で頑張ったのよまったく…」
そのままノイズキャンセラーを付けて行ったわ。理由は簡単、身体が悪口に怯えちゃうからよ。貸してもらってる身として少しでも身体のことは気遣わないと
「今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」
シーン
「こいつあシヴィー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?YEAHH!!!」
2度目のコールを今度は自分でやるプレゼント・マイク。あのヒーロー凄いわ。私も身体も見習いたい鋼メンタル。こんだけの人数を相手に拡声器なしで遠くまで聞こえる音量。自分の個性使いこなしてる立派な証拠ね精神年齢大人として撫でてあげたいわ。
「ボイスヒーロープレゼント・マイクだすごい…!!ラジオ毎週聞いてるよ感激だなぁ雄英の講師は皆プロのヒーローなんだ」
「へー…」
隣からブツブツ緑髪で聞こえるわね…これはこれでいい情報源。聞かなくても色々情報が来るのは最高の席ね。緑髪の隣の金髪な男の子はイライラしてるけども…多分金髪の子は怒りっぽいのかな?
「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校校訓をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!『真の英雄とは、人生の不幸を乗り越えていく者』と!!Puls Ultra!!それでは皆良い受難を!!」
「(あ、やべ。聞いてなかった(´>∀<`)ゝ。仮面ちゃんは聞いてた?)」
【(アタシがそんなの聞くわけないじゃない♡)】
「(だよね〜聞いてたら明日槍が降ってくるもんね)」
【(信用無さすぎ?!)】
《はい、スタート 》
やる気ない開始宣言に、一気に駆け出す。他の子は突然の合図に反応出来ずにその場で固まっていた。
「(?今開始宣言した?私がおかしい??フライング?フライングって走る時とかだとアウトよね?アウト??)」
【(他の反応速度がアタシ達よりも遅いだけよ♡大丈夫)】
「(あ、仮面ちゃんが人の事を本気で心配するのは明日は台風確定ね)」
【(いや、どんだけ船長の中のアタシは無慈悲なのよ?槍よりは生ぬるいけど…)】
打ち込まれた拳にメキョリと変形する。散らばる破片、初めて倒したロボットに目もくれず次の標的に向かって駆け出し、 紙付きナイフを仮想敵に向かって投擲し。カン、と金属同士が当たった途端爆発。爆炎も散らばる破片も気にせず駆け出す。素手で壊す。1Pは見た目に反して豆腐みたいに脆く、2Pは1Pより少し硬いがまだ素手で倒せる範囲、3Pは硬いが壊せば一緒。限られた時間、限られた仮想敵、無駄な時間を使わずに早くポイントを稼ぐかに全てがかかってる。足を止めず、思考を止めず、敵から目を離さない、無駄な力を使うのは許されない。こんなの身体が受けた誹謗中傷に比べれば、これまで戦ってきた化け物よりも全然弱い。
「思ってた以上に弱くないかしら??」
【(本来は死線をくぐり抜けてきた子ようでも無いからよ。)】
「つまり…ヌルゲー?」
途端に地面が揺れた。ビルを次々と倒壊して現れたのは高層ビルよりもデカい巨大ロボ。私にそんなこと言うな、用済みと言わんばかりに。いやホントのことだから仕方ないでしょ?と思いつつ爆弾を設置して周りの動けない子を連れて逃げたらしっかり巨大ロボは爆発で壊れた
「大丈夫?ルーキー達……あ。ごめんね、今の無しで」
【(ルーキーだなんて呼んでどうしたの?)】
「(つい船長時代の口癖で…)」
《終了〜〜〜!!!!》
「もう?!弱すぎ!!脆すぎ!(船長かなちぃ!!)」
【(仕方ないでしょうよぉ〜)】
「実技総合出ました」
「今日は面白い奴が多かったな」
「何よりメインはあの二人でしょう」
「今までアレに立ち向かったのは過去にもいたけど…ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」
「緑谷出久、敵P0で7位。救助Pだけでこの順位とは恐れ入ったな」
「しかし自身の衝撃で甚大な負傷…まるで発現したての幼児だ」
「妙な奴だよ。あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった」
「細けぇことはいんだよ!俺はあいつを気に入ったよ!!」
「思わずYEAR!って言っちゃったからなー」
「霊華海鈴、救助P30で1位。仮想敵は標的を捕捉し近寄ってくる。彼女は終始無駄のない動きで仮想敵を倒し続けた」
「本当に15歳か?プロの動きだったぞ。軽い身のこなし、正確に投擲する腕、判断能力、戦闘力共に他の子らよりズバ抜けて高い」
「確かにすごかったが最後の弱いや脆いは頂けない。あのロボは結構硬いんだぞ」
「あの子、所々敵思想あったじゃないですか。二重人格ですし、怖いですね」
「そうですか?私は痺れましたけどね。15歳なのにヒーローとして現実を理解している。娯楽化してるヒーローに、絶対プロヒーローになるんだという強い意志を感じました。彼女はいいヒーローになりますよ」
「何にせよあの子らは合格者だ。言動がどうであれここに入学資格を持つ。何も問題ない」
「ふむ」
「あら、校長どうされました?」
「よし決めた。相澤君、君に霊華さんをお願いしてもいいかい?」
「俺、ですか?」
「彼女のセンスはズバ抜けて高い。まるで死地の最前線で生き残ったみたいにね。なにより戦い方は人を殺めるのに適したものだ。彼女が過ちを犯さないように見てもらいたいのさ」
「はぁ、善処します」
「霊華海鈴……ね」
霊華海鈴と書かれた志願書を手に、めんどくさいことになったとため息吐いた。
無駄に大きいすぎる扉を開けると、教室の中はチラホラと人が居る。黒板で指定された席に座り、目を閉じる。毎年倍率300を超える雄英高校。ヒーロー科の一般入試定員38名。1クラス19名の2クラスのみという狭き門。うんなかなかここえぐいわね
「海鈴姉…」
よーし。1回身体の双子の弟がなんか言った気がするけどノイズキャンセラーつけてるし幻聴として聞こえないフリをしましょう。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」
廊下にいた芋虫が動き出して、寝袋から出てきたのは30のおじさん。可愛い…洗って気飾ればほんとに可愛いにもかっこいいにもなれる素質があるわね…
「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。担任の相澤消太だ。よろしくね」
担任!!?と私以外のクラス一同が驚く。相澤は気にせずに寝袋に手を突っ込んだ。
「早速だが体操服来てグラウンドに出ろ」
「「「個性把握…テストォ!?」」」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側も然り」
「「「………………?」」」
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学の頃からやってるだろ?個性禁止の体力テスト。国は未だに画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ。爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「67m」
「じゃあ個性使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ」
「んじゃま、死ねぇぇえええええ!!!!」FABOOOM!!
ピピッと判定された結果は705m。いまいちな結果に爆豪くんは舌打ちした。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーロー素地を形成する合理的手段」
今まで個性使用禁止の法があったから個性を使う機会がなく鍛えれない子が多い。だから個性把握テスト。よく考えてるわね。
「すげー!!おもしろそう」
「705mってまじかよ!!」
「個性思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」
「……面白そう…か。ヒーローになる為の3年間そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」
「「はぁっ!!?!」」
「生徒の如何は先生の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
「(楽しそうじゃない)」
【(ニヤッ)】
船長時代のワクワクが出てきた船長を見て誰よりも楽しんでる仮面のことは船長ですら、知る由もない
「んじゃパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」
デジタルスクリーンに出た結果は3位。5位とかになるように結構手加減したんだけど……船長時代のワクワクはそうはさせてくれなかったわね
「ちなみに除籍はウソな」
「「「!?」」」
「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」
「「「はーーーーー!!!!??」」」
「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えれば分かりますわ」
「そゆこと」
違う。あの先生は本気だった。そう船長時代の警戒が言ってるわ。雄英高校のクラスは全部で11クラス。毎年テレビで放送される雄英体育祭で時々クラスが足りないことがあり、営業科、サポート科は自由参加、ヒーロー科だけ足りない。絶対にあの先生が除籍処分したと思うのよ
「これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」
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