〈逆視点 _ 第3話〉
中学2年生 _ 9月12日 .
年下の妹が亡くなった
送迎バスの運転手は
いつもと違う人だったらしい 。
<〇〇認定幼稚園の送迎バスが
トラックと衝突し…
ニュースになるほどの、大事故だったらしい
突然の出来事で 、
すぐに受け止めることなんてできなかった
月の様に明るかった妹の月 .
〝お姉ちゃん 、あそぼ〟
毎日のようにそう言って
2人で遊ぶことが多かった
父を癌で既に亡くしている私にとっては
慣れたからか 、涙なんて溢れてこなかった
そもそも月は実妹じゃないんだから。
月は母の再婚相手との子供で
月はよく、両親や私に懐いていた
すごく懐かれてたのは再婚相手である
〝椿〈つばき〉〟さんだった
椿さんは容姿も性格も良く
普通に家族として私を受け入れてくれた
父親 、なんていわず
椿さん . と私は呼んでいる
[月ちゃん 、亡くなったんだって ?]
「そうみたいです 。」
隣に寄り添った椿さんは
いつもより穏やかで優しい声で私に話掛ける
「…椿さんは 、月のこと.好きだったんですよね」
最愛の娘 . と言っていいほど
月は椿さんから好かれていた
椿さんは月に激甘で 、
月も椿さんのことを誰よりも気に入ってた
月は白ウサギのぬいぐるみを誕生日に
プレゼントしてもらって 、
それから毎日ずっと離さずにいた
「 月 、その子の名前なににしたの? 」
〝くらげ ちゃん っていうの〟
私の海と 、月の月で
〝海月〟
月はなんとなくそうつけたみたいだけど
幻想的で,素敵な名前だなと感じた
「くらげちゃんのこと、大事にするんだよ」
そんな会話をしたのが最期だとは思わなかった
月のあの可愛らしい笑顔が私は好きだった
海月の様に儚く綺麗なワタシは
今日も 、海の底で息ヲスル _
[ おしまい ]
コメント
4件
あ、すき、あ、すき
なんか読み終わった一番最初に月のことを「明るい」という感性がめちゃくちゃ良いなと思っちゃった。 月って陽の光があっての明かりですごく眩しい訳でもないと思ってるからすげー綺麗でいいなとか思った 作中で出てきた深井さんってもしかしてだけど半分妹さんがメンタルに宿ってる?だとしたらすげ〜た 最終話もめちゃくちゃ良かった、お疲れ様でした!