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三日月ステップエンドハピエン編です
ここまでのお話は一個前のお話を読んでください!じゃなきゃわかんなくなるぞ!
こっちはあんまり長くない…はずです!
※gtky
gtさん激重感情持ち
年齢操作
年齢差
「…はーい」
気怠げな返事と共に、俺と同じくらいの背丈の男の子が出てきた。少し癖毛のブラウンベースに、赤い襟足の髪色。大きく吊った猫のような目。口を開けた瞬間覗いた八重歯。出てきたのはキヨだった。ほとんど変わってない。真っ直ぐ対面出来た。6年ぶりの、好きな人。
「!ガ、ガッチさ…」
キヨが何か言っているのも気に留めなかった。瞬間、俺の気持ちは急速に昂り、目の前の人を強く抱きしめていた。キヨは目の色が変わり、大きく目を見開いている。
「…え?」
「ごめんね、久しぶりに会ったのに、やなことしちゃってるね」
涙がうっすら溢れてきて、頬を伝ってキヨの肩を濡らしてしまう。好きでもない、ただの近所の人に急に抱きつかれて、どんな気持ちになっているだろう?しかもその人が泣いている。やられた側からしたら、これ以上意味のわからない状況はないくらいだろう。
「…6年前、俺ら仲良かったの、覚えてる?俺の家にキヨが遊びに来てくれて、ゲームしたりお話ししたりしたの」
「…」
「覚えてない?…そっか。覚えてないか。あと、もう1個」
「な…なに?」
緊張する。心臓が血を巡らそうと早く脈拍を打つ。息が荒くなってきた気がする。ずっと抱きしめていたキヨの細い体を離し、華奢な手を取って目を合わせる。キヨはとても驚いた顔をしていて、心なしか顔が赤くなっている。真っ直ぐ見つめ、ようやく言葉にする。
「ずっと前から、好きでした。返事はいらないです」
「えっ?」
みるみる顔が赤くなり、やがて俯いてしまった。空気に耐えられないのだろうか。何か言葉を発することもない。
「今日、キヨ告白されたでしょ?散歩で見かけたんだ」
「う、ん…」
「あの時ちょっと聞いちゃったんだけどさ、好きな人いるんでしょ?俺みたいなおじさんが、キヨのこと好いちゃってごめんね」
「っ…!」
途端にキヨの目に大粒の涙が浮かび、ぼろぼろと落ちて真下にある手に当たる。目を細めて、眉毛を上げ、きゅっと口を結んでいる。急にキヨが泣き始めてしまって、猛烈な罪悪感に襲われる。何か今俺が言った言葉に中に、キヨの心を抉るような内容が含まれてしまっていたのだろうか?謝ろうと手を離そうとすると、逆に強く握り返された。
「…ガッチさん、なんてこと言ってんの!」
「え?俺のこと覚えてーー」
「俺の好きな人教えてあげようか!?ガッチさんだよ!6年前、よく遊んでた時から好きだったの!」
「えっ!?じゃあ何であの時急に来なくなったの!?」
「そ、それは…」
キヨは饒舌だった口を閉じ、真っ赤に紅潮した顔でこちらを見つめてきた。言いたいことがまとまったのか、再び口を開けた。
「遊んだあと、やっぱりガッチさんが好きだって自覚しちゃって…年上の、お兄さんなのに。行くの恥ずかしくなって、何も言えないまま遊べなくなったの!」
「うわー…かわいい…そっかあ、あの時キヨ小3だったもんね」
はっきり言葉にして本人に伝えて、しかも可愛いなんて言われて。恥ずかしいのか俺から目を逸らし、真っ赤になったほっぺを両手で抑えた。抑えたことによって顔が左右から押され、口がむぎゅっと小さくなっていてかわいい。「かわいいって言うな」と小さな声で反抗したのを俺は聞き逃していない。
「でもよかった。俺嫌われてると思ってたもん。両想いだったんだあ」
「俺も、よかった。急にガッチさん隣の家からいなくなって、急に昨日戻ってきてるんだもん。
えへへ、と柔らかく暖かく笑うキヨは深夜に浮かぶ三日月のようで、6年前のあの日にみた三日月とそっくりだった。つられてこちらも口角が上がる。俺は咳払いをして喉の調子を治し、キヨの目を見つめる。俺の声に反応したキヨもこちらの目を見つめ返し、完全に2人の空間が出来上がる。
「改めて、もう1回ちゃんとやってもいい?」
「もちろん。年上からの告白なんて初めてだけど」
「…俺も、年下への告白なんて初めてだよ」
なんて嘘。正直言って告白すら初めてだ。大きく息を吸って、緊張をほぐす。その様子を見ていたキヨがクスリと笑う。今から頑張るのだから、あんまり笑わないで欲しいのだけれど。再びまっすぐキヨの目を見つめる。
「キヨ。俺と、付き合ってください」
「はい、もちろん」
「ほんとに行っちゃうの?」
「うん、ごめんね。大学があるから」
見捨てられた子猫みたいに目尻を下げて、泣きそうな顔でこちらを見つめてくる。俺らが互いの愛を確認できてから3日。もうそろそろ大学の夏休みも終わりの時期だ。中学校は俺が来る少し前に夏休みが終わっていたらしい。
俺の手を掴み、上目遣いでこちらを見て来る姿が可愛らしい。俺はキヨの頭をふんわり撫でた。6年前と同じ石鹸の匂いがする。時計を見ると、乗車予定の電車が来る予定時間が迫っていた。
「…じゃあ、もうそろそろ行かなきゃ。」
「うん。大学の勉強がんばってね」
キヨは俺の頬にかかっていた髪の毛を手で避け、空いた頬にそっとキスをしてきた。いきなりの大胆な行動に言葉が詰まる。キヨは顔を赤らめながら悪戯っ子のように笑った。
「まったく、ここが田舎の駅でよかったよ…」
「へへ、人がいないからね」
名残惜しかったが近かったキヨとの距離を離す。改札の方へ体を向け、買ったばかりの切符を取り出す。後ろを振り返ると、小さく手を振っているキヨがいた。
「いってらっしゃい。また、戻ってきてね」
「うん。もちろん」
改札の隙間に切符を入れる。キヨが見えなくなるまで小さく手を振り続きながらホームへ歩いていく。ちょうど電車が来ていたようだ。俺はそのまま電車の中に足を踏み入れた。
付き合ってすぐ離れ離れになってしまったけれど、その距離の間には誰も入ることができない2人のちょっとあとのお話。
〜ky side〜
「キヨくん!私と付き合ってください!」
ガッチさんが大学の方へ戻って数ヶ月。なぜだか俺は、女子から告白されることが増えてしまった。なにもモテようとか、女の子に触りたいなんて欲求は一切ない。なんとなく、ガッチさんが戻ってきてくれた日を皮切りにこうなっている気がする。でも俺は、どんなに可愛くても、どんなに勉強ができても、どんなに性格が良くても、誰とも付き合うつもりはない。
「好きな人がいるから、付き合うことはできない」
前の俺なら、こう答えていただろう。でも今の俺は少しだけ違う。このことは、親友の2人と、勇気を出してくれた女の子にしか言ってない秘密。
「…まず、言ってくれてありがとう」
「!じゃあ!」
「でも、ごめん」
「俺、彼氏いるから」
〜gt side〜
「ねえねえ、私と付き合って?」
飲み会の途中、とある女が声をかけてきた。実家への帰省から帰ってきて数ヶ月。なぜだか俺は、女の子から告白されることが増えた。誰とも付き合うつもりはないんだけどな。声をかけてきた女は無駄に露出の多めな服を着ており、俺の隣にぴっちりくっついて言い寄って来る。飲み会だからしょうがないが、酒の匂いが強くてあまり気持ちがいいとは言えない。
「今は誰とも付き合うつもりはない」
前の俺なら、おそらくこう答えていたことだろう。でも、今では違う答えを返す。このことは、酒に頼らないと自分の気持ちを伝えられないような女子にしか言っていない。
「うん、ありがとう」
「ええ?付き合ってくれんのお?じゃ、今から抜け出して…」
「いや、付き合わないよ」
「俺、彼女いるからね」
コメント
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ァァァァ!!!😭💕💕💕💕💕💕 🥷さんの片想いが報われて私はもう用無しだ……😇 🐱は「彼氏」で🥷さんは「彼女」なのまじで……ありがとうございます。何万でも払います💰