アキオ「いや、俺の方こそずっと謝りたかったんだ」
友道「え…?」
アキオ「お前が事故で亡くなった事で、無限増殖ゾンビーズは呪われた未完の映画として話題になり、
それがキッカケで俺は今では『グ ロ映画の巨匠』とまで言われるようになった。
…ただ結果として、お前の不幸を利用して成功したような形になってしまったんだ…」
アキオは目を閉じて顔を背ける
友道「…なんだ!そんな事は謝まる必要ないよ。
僕は、あっちゃんが有名になってくれて本当に嬉しいんだ!」
アキオ「え?」
落ち込んでる自分に笑いかける友道を、アキオは驚いて見つめる
友道「むしろ、グ ロ映画の巨匠にたてたなんて誇らしいよ!」
アキオ「…友道……」
アキオは嬉しそうに微笑む
アゲハ達も微笑んで2人を見ている
友道「これで、気が済んだよ。でも、無限増殖ゾンビーズ、完成させたかったなぁ」
Y学園の体育館ホールに、拍手が響く
「グロサワアキオ監督、ありがとうございました!」
ホールの壇上に立っていたアキオは、講演会の初めの言葉を終わらせ、ホールの1番後ろの椅子に座ってる友道の横に腰かけた
「最後に、Y学園の皆さんの為に特別上映があります!」
司会のその声と同時に辺りはパッと暗くなる
何も知らずにここまで来た友道は、不思議に思いながらアキオを見つめた後、ホールの真正面に映された画面を見つめた
タイトルは、『無限増殖ゾンビーズ!』
友道は目を見開く
友道「これは?」
アキオ「まあ、見てな」
友道は再び画面を見やった
キノコの菌でゾンビになってしまった奴等から逃げ惑う人々
すると、ゾンビ達のヘソから謎の胞子が放出され、逃げ惑う人たちがゾンビにされてしまった
友道「……ッ!」
そして1つのワンシーン。
友道はそれをみて吃驚する
たった1人生き残り、ゾンビ達から逃げているのは、なんと友道だった!
友道は零れていたオイルに足を滑らせて、ビルの屋上に身を投げ出される
友道「っ!!」
『うわああぁぁぁ!!』
友道はそのまま真っ逆さまに落ちる……かと思いきや、
間一髪、ビルの出っ張りにしがみついた
友道「えっ?」
友道は全身に渾身の力を籠めてビルの屋上に這い上がると、何処かに全力で走る
友道「…これは…?」
アキオ「俺が海外に行った本当の目的は、最新のCG技術を学ぶ為だったんだ」
画面の中の友道は、全速力で森を駆け抜け、巨大なキノコが生えてる場所まで辿り着く
友道「僕が…僕が……動いてる…!」
友道は目を輝かせ、嬉しそうに呟く
『これが、全ての始まりか!』
友道はチェーンソーを持ち、
『人をゾンビにするバケモノキノコめ!!』
勢いよく振り被ぶり、巨大なキノコをぶった切った
そのままキノコは消滅し、街にいた人たちは皆元の人間の姿に戻った
ホールに割れるような拍手が巻き起こる
友道「あっちゃんとの映画が完成した。嬉しいよ…!」
友道の身体は、もうキラキラと光って透け始めている
アキオ「友道、俺達は最高のコンビだな!」
友道「うん!」
2人は互いの拳をこつんと突き合わせた
終わりのスクロールには、撮影や編集、制作など沢山の人々の名前が映されてる
そして最後___
主演『友道 ケン』
監督『グロサワ アキオ』
友道「あっちゃん、ありがとう____」
最期の言葉を残して、友道はキラキラと光り、パッと散って消えた
友道が座っていた椅子には、映画を始めるキッカケとなった本、
『無限増殖ゾンビーズ』の台本がキラキラと輝いていた___
その光は上の階にいるアゲハのウォッチに吸い込まれていき、3枚のメダルが宙に浮いた
~数日後~
コマ「すごい!こんなに大きく!」
映画館の外壁には、アゲハとマタロウがでかでかと写った写真が貼られてあった
ジンペイ「やったな!アゲハ、マタロウ!」
マタロウ「僕とアゲハさんが主役の映画~!」
マタロウは目をキラッキラに輝かせ、滅茶苦茶嬉しそう
アゲハ「なんか、こんなに派手にされるのも恥ずかしいな…////」
マタロウ「…………………」
マタロウは自分の映った映画を見て唖然とする
何故なら、情けなく顔を歪めながら泣き叫び、ゾンビ達から逃げ惑う自分の姿があったから
一方のアゲハは、ゾンビ達の髪の毛を引っこ抜きながらもマタロウを慰め、フォローしている
アゲハ「どういう成り行き…?;」
コマ「マタロウ君に合わせて、ゾンビコメディ映画に路線変更したんだって」
ジンペイ「うぉぉぉ!!2人とも羨ましいぜ!!」
アゲハ「ジンペイ、ここ映画館だから静かにね;」
Y学園七不思議、6つ目の真相が明らかになった。
残るは1つ。
7つのメダルが揃ったとき……
何かが起こる……!?
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