~YSPクラブ 部室~
ジンペイ「学園七不思議、あと1つ…!」
アゲハとコマは椅子に座ってパソコンに向き合い、最後の七不思議を調べている
他の4人は、掲示板に貼られている今まで解決した七不思議の貼り紙を見ていた
マタロウ「一体、どんな不思議なんだろう?」
マタロウがワクワクといった表情で張り紙を見つめていると、アゲハとコマが声を上げる
アゲハ/コマ「「見つけた!」」
その声に4人は振り返る
アゲハ「最後の1つは…
『トイレの花子さん』!」
4人は一直線に2人の元に駆け寄る
マタロウ「え?」
フブキ「トイレの花子さんって、あの?」
ジンペイ「都市伝説の中でも、超ベタなぁぁぁ…!」←
アゲハ「それ、花子さんじゃないから;」
テレビの中から片目を髪で隠したジンペイが出てくるのを見て、アゲハが突っ込んだ
それって、花子じゃなくって貞子(((
マタロウ「コマ君、ちょっと落語風に説明してみて?」
アゲハ「あ、いいね!それ」
コマ「!えぇっと…アゲハちゃんが言うなら…///」
言うまでもないが、コマは有名な落語家の家に生まれている
コマは机の上に座り、ペコリとお辞儀する
コマ「え~、放課後、誰もいないトイレの個室に向かって『はーなこさん、遊びましょ!』って言うと、
『いーいーよー!』と返事が返ってくる。
するってぇと、花子さんを呼んだもんは、行方知らずになっちまうという、
怨霊界隈の中でもちょっとやな子なお話でございます。
『花子』だけに!」
ち―――ん……
室内に沈黙が訪れ、聞こえるのは近くで寝ているバケーラ達の鼾だけ
コマ「…やっぱり、僕の落語イマイチだよね…;」
コマは眉を下げ、申し訳なさそうに頭を掻く
アゲハ「ううん、そんな事ないよ?
今は下手かもしれないけど、人って努力をすればなんでも出来ちゃうんだから!
ほら、塵も積もれば山となる、って言うでしょ?」
コマ「アゲハちゃん…!//」
やっぱり好意を持ってる人に言われると、嬉しいものなのだろうか?
コマは頬を染め嬉しそうにアゲハを見つめる
ジンペイ「そうそう!花子がやな子、普通じゃ絶対思いつかない!
花子がやな子…」
ジンペイもアゲハに共感し、顎に指を添えてラップを口遊み始める
ジンペイ「花子がやな子♪イェイ イェイ♪花子がやな子♪
イェイ イェイ♪花子がやな子♪」←
コマ「ジンペイ君、もういいから!;」
段々と声のトーンを高くしながらラップするジンペイに、コマが顔を青くしながら止める
マタロウ「でも、これまで起こってきた事件と比べれば、
トイレの花子さんなんて、案外普通じゃない?」
ジンペイ「確かにな」
メラ「俺達はクリアしていく順番を間違えたようだな」
マタロウとジンペイに続き、今まで黙っていたメラが腕を組みながらそう言った
アゲハ「どこに行けば花子さんに会えるか調べてみるね」
アゲハは再びイスに座り、パソコンを(すごい速さで)カタカタと鳴らしながら調べる
そんな中、マタロウは部室から出ていく
マタロウ「はぁ~…トイレの話してたらトイレに行きたくなっちゃったよ…;」
そう呟き、マタロウは男子トイレの中に入っていった
室内に(めっちゃ高速で)カタカタとパソコンを打つ音だけが響き渡る
少しして…
アゲハ「あった!」
アゲハはパソコンを打つ手を止め『定番 都市伝説』と書かれた画面を映す
アゲハ「花子さんは今、ここにいるみたい」
画面には、ボロボロの廃校が映し出されてある
その時、
「助けてぇぇぇぇ!!」
誰かの悲鳴が聞こえる
アゲハ「マタロウ君?」
ジンペイ「トイレの方からだ!」
アゲハ達は吃驚して、急いで男子トイレに駆け込む
ジンペイ「マタロウ!」
ジンペイは1番奥の扉をバンッ!と開ける
「「「「「!?」」」」」
皆は吃驚して目を見張る
何故なら、マタロウがトイレの便器から出てきた謎の竜巻に飲み込まれていたから。
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