テラーノベル
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りお
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#深夜投稿
1週間2回投稿予定
399
#ご本人様には関係ありません
ゆゆ

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2話 花と砂糖菓子の混ざったよう甘ったるい香り、そこに科学的な、ケミカルな香りを足した、化粧品特有の何とも言えないその香りに思わず眉を顰める。ネットで評判が良かったやつを適当に買ったら色が合わなかったらしく余計に目立ってしまったから。今使っているものは2代目。
つい3、4カ月前まで男が化粧品を使うなんてよっわ!と言っていたのにも関わらず、今の俺はこれがないと外に出ることができない。
鏡の映る自分を見る。
随分と悪くなった顔色。そして、首元に散らばる、煙草を押し付けられた痕。もちろんそれは首だけではなく、服で隠れるような位置にも無数にあって、もう結構暑い時期だというのに長袖を機ざる負えない。いや、むしろ縛られた跡とかがあるから服の下の方が酷いのかもしれない。麻痺した今の脳ではそれもよくわからなくなってくる。
隈にはオレンジ色を乗せて、反対にまだ赤みの残る傷跡には緑色を乗せてからその上に、コンシーラーを塗る。それが汗で落ちないように皮脂吸着系のパウダーを乗せる。ここ数カ月で随分と詳しくなってしまった。これじゃもう、男のくせにメイクしてるからってしろせんせーやニキ君たちのこと、トルテさんと一緒になってバカにできないなぁ。今までバカにしてごめん!なんて、心にもない謝罪をする。
何回目からかはもう忘れてしまったが、行為に、単純な暴力が混ざり始めた。腕や足を縛る単純なものから始まって、火のついた煙草を押し付けられたり、スタンガンを使われてあり色々。
頻度は大体1週間に4~6回、人数は1人の時もあるけど大体は最初の3人、時々それ以上、時間は1時間から最大で1日と少し。2回目のときに交換させられた連絡先から突然送られてくる。そのせいでここのところ配信の頻度は下がるし、動画撮影に至ってはほとんど参加できていない。
最初の1カ月はただ痛いだけだった。なのに、次の1カ月はそこに快楽が混ざり始めた。だから正直行為に暴力が混ざったときは安心した。これで正気のままでいられる。俺のままでいられるって。でも残念ながらその安心は長く続くことはなくて、行為中の熱に浮かされた、バカになった頭はその暴力も快楽に変換されて、痛いのも、苦しいのもキモチイイこととして受け取ってしまう。
それは、痛いだけよりもつらくて、、、それ以上に悔しくて、半分意図的に服で隠れた腕に爪を立てる。カッターやナイフなんかじゃないからもちろん、スパッと勢いよく血が噴き出すなんてことはない。でも、皮がめくれて、僅かに肉がえぐれて血が出る。その小さな痛みが、まだ俺は大丈夫なんて保証してくれるような気がした。そんな態々自分を傷つけるなんてメンヘラみたいなことをして、病んでんのかな、俺。
本当は今日の飲み会も断るつもりだった。
スマホの通知音が響くだけで心臓が痛いほど速くなる。不整脈だから結構シャレにならない。死因が音に驚いただなんて全く笑えない。
元々飲み会への参加率は高くないし。断っても不自然ではないはずだった。でも誘ってきたのは珍しくニキ君で、「最近弐十ちゃんと会ってないから寂しいよ~」なんて電話越しに半分くらい本気で言われてしまえばいくら俺でも無視することなんてできなかった。本当の理由は行かないでニキ君が拗ねたときのドッキリ、もとい仕返しを警戒しただけなのだけど。
店のガラスに映った自分を見る。
長袖ではあるけど袖口が緩い作りだから、腕の動きには結構注意沙汰方がいいかもしれない。
首の傷も、顔の隈も今のところは隠れている。化粧してる感もそこまでない、はず。
店内に入ると、他の人たちはもうすでに着いていたようで次々に声がかかる。
「弐十くん久しぶりじゃ~ん」
「やっほ、トルテさん」
「弐十ちゃんほんまに久しぶりやんな」
「ね~、ニキ君のおごりだって言われたから渋々来てあげたの」
「マジか」「あっつ!」「マジニキさんかっけー!」
「いや、お前らにまでおごるとは言ってないからね!」
メンバーはニキ、しろ、トルテ、シードに俺を加えた5人。
「え、つかマジ弐十くんマジ久しぶりよな?」
「最近撮影もあんま来ないしね~」
「女でもできたんとちゃいますのぉ」
トルテさんの揶揄う言葉に「うっざ」とだけ返して席につく。
「弐十くんなに頼むん?どうせ、酒は別に飲まんじゃろ?」
「うん」
シード君からメニュー表を受け取る。
「う~んと、お茶と、なににしよっかなぁ」
「さっき頼んだけど、ここのだし巻き卵めっちゃうまかったよ」
「…….へー、じゃぁ、お刺身で」
「お前、せっかく人が進めたのにさぁ」
「好きなもん食わせてよ」
ダルがらみしてくるトルテさんを物理的に押しのけて注文する。
「てか、弐十ちゃんが長袖着てんの珍しくない?」
「な、いつもバカみたいに半袖なのに」
「おい、ハゲ!バカみたいは余計だろうがよぉ!」
「しかも、なんかちょっとだけおしゃれじゃん」
「俺がおしゃれな服着てるとなんか不都合でもあんのかよ!」
やたら突っかかってくるハゲとデブ、もとい、トルテさんとニキくんにイライラしてくるのと同時に安心感を覚えてしまう。
「最近配信も少ないっぽいけど何してんの?」
「んー、」
突如投げられたトルテさんの言葉になんと返そう。案件配信の準備?イベントの準備?それとも歌ってみたの制作中とか?駄目だ、個人のままだったらまだしも、今の俺はコイツらと同じグループに所属してしま手いる。やることは個人の時とは変わらないといえ、グループである以上最低限の報告はしている。そんな嘘は簡単にばれてしまう。
「あー、実家の方で色々あって?」
「なんで疑問形なんだよ」
なんてごまかしてしまう。
テーブルの上に乗ったお刺身と他の誰かが頼んだものをちょっとずつ食べながら、お茶を飲み進める。
そういえば今日は誰もお酒飲んでないなぁ、なんてことを考えながらお茶を飲み干して、トイレに立つ。
手を洗うと、鏡が目に入る。食事をして体温が上がったからか、良くいると化粧が崩れているところがある。ポケットから化粧品を出して崩れたところだけを手早く治す。
ガチャッ
「え、弐十ちゃん、」
振り返ると、しろせんせーが立ちつくしていた。
コメント
2件
続きめちゃ待ってました!!!!今回も面白い、、、、、てか、、、まじで続き気になる、、、、続きでたばかりですけどwご自分のペースで書いてってくれれば嬉しいです!
しんどい…読んでて胸がギュッてなった。弐十くんが必死で隠してる日常とか、化粧で傷を誤魔化す手つきがリアルすぎて、何も言えなくなったよ。「痛いだけよりつらかった」って言葉がずっと頭の中に残ってる。しろせんせーに見られた最後、続きが気になりすぎる。ゆうゆうさん、こんな重たいテーマをリアルに書けるのすごすぎ…でも読んでてつらくなるところもあって、ちゃんと見届けたいと思った。次話も読みます🔥