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「だめだよ…」
誰かが…そう言った……誰でもいいが……
気にせずに…俺は進む…進まなければ……
俺は……!
目覚ましのけたたましい高音が響き渡っている。朝だ。ガジャッと乱暴に目覚ましを止めて、重い体を起こす。
家にはもう誰もいない。というのも、うちで一番遅く起きるのは俺だからだ。
なんで目覚ましの音って高音なんだろう、低音じゃダメなのかな…と特に調べもしない疑問を浮かべながら、食パンを袋から引っ張り出す。
右…左…右…左…ただ足が止まらないように……でないと…悪夢が……俺に…
止まってもいいと…囁きかける……
今日は何しよっかなぁ。今日は授業午後からだし、買い物でもしたいなぁ。
食パンに口の中の水分を持っていかれながら今日1日の予定に思いをはせる。
夢……だ……目を…覚ませ…俺は……