一歌「…ミク?」
ミク「はじめまして、一歌ちゃん」
私の知っているミクとは違う、優しいくて切ない…寄り添うような笑顔をした。すると、可不が言う。
可不「一歌ちゃん、辛かったでしょ」
一歌「つら、い…?」
そんなことないと思っていた。
ミク「…一歌ちゃんって凄いよね」
可不「うん。想いの強さ、我慢も、“星乃一歌”を大切にしたり…」
“星乃一歌”を大切に…か。別に、そんなことないけど。偽っているのかも分からないし、これが私なのかもわからない。
ミク「…ねぇ、一歌ちゃん。前のセカイの本当の想い、覚えてる?」
一歌「本当の想い?えっと…《4人で一緒にいたい》?」
セカイを知る前にずっと想っていたこと。《4人で一緒にいたい》それを望んでいた。
可不「そんな感じの想い。どうして、今壊れたと思う?」
“どうして”?もしかして…
一歌「本当の想いが消えたから…?」
ミク「正解。でも、壊れたのは今。一歌ちゃんが3人に嫌われていても、その想いだけは残っていた。どういう意味か分かる?」
嫌われていても、想いは残っていた。つまり、あの3人の今の本当の想いも、前と一緒ってこと…?
一歌「私が、あのセカイを壊したってこと…?3人は、一緒にいたいって想ってたってこと…?」
可不「………そういうことだよ」
私のせい。それが、私の頭を満たしていた。そんな私にミクが語りかける。
ミク「一歌ちゃんのせいじゃないよ。これは、あの子達にも悪いところもあったしね」
可不「意外と不器用だよね。あの3人」
可不が笑いながら言う。
一歌「…本当に、咲希達のせいなのかな」
頭の中にあった不安を、3人しかいない空間に呟く。
可不「…ねぇ、一歌ちゃん。この花、なにか分かる?」
可不が指を指したのは、私の誕生花――ゼラニウムだ。
一歌「ゼラニウム…?」
ミク「じゃあ、これは?」
ミクが指を指したのは、水に濡れたギターだった。
一歌「私の…ギター…⁉でも、私の部屋にあるはずじゃ…」
ミク「ここは、一歌の…一歌だけのセカイ。一歌の大切なもの、たくさんあるんじゃない?」
私の大切なもの、か。そんなの…あるの?
一歌「あるわけない。そんなの…私に」
可不「あるよ」
一歌「嘘だ。だって…あったら…あったら私は…
コメント
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やっぱいつも最高daze☆