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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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拓はあの頃のあの男の子だったこと、

そして私がその時の女の子だったことを知って、

たくさん感謝を伝えてくれた。


黄色いチューリップのパワーも、私がその時に教えたことだった。



「本当にチューリップのおかげで元気になったんだ。お母さんまで救ってくれてありがとう。」



またドーナッツ屋さんでボロボロ泣き始めた拓を、私は笑顔で見守った。


あんなに辛い思いをしていたのに、今こんなに元気をくれる存在になって…

もらい泣きしちゃうよ。


黄色いチューリップは本当にパワーがあるように感じた。



ドーナッツ屋さんから駅まではつながっていて、駅の中のお店から歩いて向かった。


もちろん、手を繋いで歩いていた。


その時。


「永山くんと渡来さんだよね…?」

私たちが付き合った日にクッキーを渡してくれた女の子の隣にいた子が話しかけてきた。


「えっびっくりなんだけどなに…」

そう言い放って帰ってしまった。


ライバルに付き合ってることがバレるという不穏が、心の中にまとわりついた。


「萌…元気出して。俺何か言われてもちゃんと断るからさ!」


そういう問題じゃないの。いつ取られちゃうか不安なのは私だけなの?

悲しくなって、拓を予定より早めに見送った。



あの子に知られたら…

最悪なことばかりを考えて仕方がなかった。


拓はここまでポジティブに言ってくれていたけれど、今回はそういう気分になれなかった。


どうしよう…


そんな気持ちばかりがよぎった。




次の日。

思っていた事態が発生した。


隣のクラスの真原さんが泣いていたんだ。

拓にクッキーをプレゼントしていたあの女の子だ。


「永山くんがあの女と歩いてて…」

「本当に私許せない」


学年中に瞬く間に噂が広がり、文化祭2日目どころではなくなってしまった。


部員にも心配され、本調子になれずいつもしないミスを連発してしまった。


「今日は永山くん来てないね…」


やっぱりもう気軽には会えないのかな。


好きな子の気持ちを考えたら胸が痛いし、かといって好きであることを隠すこともできない。

別れることなんてできない…


真原さんごめん…


罪悪感とともにやるせなさが出て凹んでいた。


「そういう時こそ堂々とするものよ!」

昨日相談に乗ってくれた樹里は明るく前向きに声をかけてくれて、文化祭を一緒に過ごした。


「永山くんはキッパリ断ってくれるはずだよ」


樹里は笑顔で頭を撫でてくれた。

私もそれを期待していた。



黄色いチューリップが好きな理由

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