テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
なにわ男子 道枝×長尾 BL ※短編×非エロ
start
┈
道枝駿佑side
朝、目覚ましより先に気づいたのは、
隣の体温がやけに熱いことやった。
「……長尾?」
名前呼んでも、
返事は小さくて、掠れてる。
「……ん……」
額に手当てた瞬間、
嫌な予感しかしなかった。
「……熱」
しんどそうに眉寄せてる顔、
正直——
可愛いと思ってしまった自分に、
一瞬自己嫌悪した。
「ごめん……」
謝られる意味が分からん。
「何が」
「……迷惑……」
声、弱すぎ。
「迷惑なわけないやろ」
水持ってきて、
薬飲ませて、
布団かけ直して。
その間ずっと、
俺の袖を離さん長尾。
「……みっちー」
「はいはい」
「……いて……」
……ずるい。
弱ってるときだけ、
こんな素直になるんやから。
「どこも行かん」
そう言ったら、
安心したみたいに目閉じる。
その寝顔見ながら、
頭撫でて。
(ほんま、可愛いな)
普段は生意気なくせに。
┈
数日後。
「……もう平気」
そう言って動き回る長尾を、
俺は疑ってた。
「無理すんなって」
「だいじょぶやって」
結果。
次の日、
俺がベッドから起き上がれんくなった。
「……みっちー?」
今度は、
心配そうな声が上から降ってくる。
「……熱」
「うわ……」
長尾の手、
俺の額に触れる。
「……次は俺が看病な」
そう言って、
少し誇らしげに笑う。
(……立場逆転)
水、持ってきてくれて、
冷えピタ貼ってくれて。
「……動かんで」
布団押さえられる。
「俺の台詞やん」
「今は俺」
珍しく、強気。
椅子に座って、
俺の手、握りながら。
「……ちゃんと治してからな」
「……何を」
からかうと、
一瞬詰まって。
「……色々」
顔、赤い。
(……あー)
治ったら、
絶対やな。
┈
数日後。
二人とも、
元気。
夜。
ベッドに並んで、
なんとなく見つめ合って。
「……もう大丈夫やな」
「……うん」
長尾が、
小さく近づいてくる。
「看病」
「ありがと」
「俺も」
指、絡める。
長尾が
急にベットに倒れて、
ふと振り向くと、
上目遣いで、
「…きて……?」
——それ以上は、
言葉にせぇへん。
「…みっちー?」
「俺のこと好き?」
「…言わせんでもわかるやろ、」
俺は優しく
長尾の唇にキスをした。
「……俺も好きやで…」
┈
finish