アステルがタイムリープする前
回想シーン
名門公爵家「ミラージュ」家の娘として生まれ不自由なく恵まれて育ったアステルは全てが完璧だ。
作法、ダンス、食事、学力など全てが完璧だ。
そのお陰で皇族に気に入られ当日皇太子だったラファエルの婚約者になり皇太子妃になった。
だがある日
アステルとラファエルが結婚し新たな皇帝と皇后に即位してからアステルの誕生日パーティーにラファエルがロリエナを連れてきて話した。
「アステル、この令嬢はマリーシェ子爵家の令嬢ロリエナ・フォン・マリーシェだ。」
ロリエナが一瞬アステルを鼻で笑い睨むが直ぐにそれは消えた。
「初めまして皇后陛下、本日からラファエル様の側室になった。ロリエナと申します。よろしくお願致します。皇后様」
だがこれはロリエナの罠だった。
ロリエナが側室になってからしばらく
事件が起きた。
ロリエナの食事に毒が盛られていた。
その犯人はアステルの専属の下女だった。
下女もアステルを無実を訴えたが信じてくれないまま、下女は国外追放。アステルはラファエルの機嫌が治るまで謹慎処分を言い渡された。
これがロリエナの罠だった。
だがこれだけではなく、ロリエナはアステルに濡れ衣を着せてはそれを繰り返していた。
そしてある日
ロリエナが側室になってから1年が経とうとしていた。 アステルはロリエナとお茶会をしていた。その時、ロリエナが血を吐き倒れた。
「キャー、皇后様がロリエナ様をー」ラファエルのメイドが悲鳴を上げ、ラファエルに報告した。アステルは取り抑えられ、みすぼらしい服を着せられ何度も辱しめと拷問を受けた。
皇帝宮の応接間
まるで平民となった女のような姿になったアステルがラファエルに無実を訴える。
「陛下、私は神に誓ってロリエナを殺そうと思った事はありません。 」
ラファエルがアステルの頬をバチンと叩く。
「黙れ、この悪女め。貴様には悪いが死んで貰う。私の愛しいロリエナを殺そうとした罪はエレンス帝国と同じ程思い。」
まだ寒気が合った春の日だった。
アステルは髪をボサボサに斬られ処刑所のギロチンにかけられた。当たりを見回せば、アステルの無実を訴える公爵一家と専属の召し使い達がラファエルに異議を出していた。
ラファエルはそれを無視し、ロリエナにキスをした。アステルと目が合ったラファエルはアステルを嘲笑っていた。
ギロチンの刃が落ちアステルの生首を処刑人が持ち上げる。ラファエルはニヤッと笑い呟く。
「アステル、貴様の死はありがたく受けとる。」