TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


「こちらへ……」


背中に手をあてがわれ促されるまま、エントランスまで行くと、


「……愉しめましたよ、昨夜は。……では、また」


政宗医師は口角の両端を僅かに引き上げ、マンションの扉の鍵をカチャリと開けた。


「どうぞ、存分に休まれてください。……まだ少し昨日の眠剤も残っているはずですから、よく眠れると思いますよ……」


ドアを引き開け、私の背を押し出すようにすると、


「また……永瀬 智花さん……」


ドアが閉まる寸前に隙間から覗く顔に薄く微笑を浮かべ、わざとらしげに私の名前をフルネームで呼ぶと、軽く片手を挙げた──。



──重怠く感じる身体を引きずるようにして家へ帰り着くと、時間をかけてシャワーを浴びた。


そうしてベッドに入りふっと落ち着いた瞬間、一連の出来事が頭に緻密に蘇ってきた。


(……どういうつもりで、あんなことを……。あの人が、私を好きであるはずもないのに……)


『……これからじりじりと、あなたの身体に教え込んでいってあげますから……』


胸に刻み付けられたかのようなその言葉が、幾度となく浮かぶ。


また……あんなことを、するつもりなんだろうかと思う。


いくら考えても、その言葉どころかされた行為の真意すらも全くわからなくて、


昨夜のことを思い出すと、ただ混乱だけが深まっていくようで、枕に顔をうずめると、


もてあそばれ疲れ切った身体を休ませることでしか、もう私にはけりが付けられなかった……。

「責め恋」美形な医師は、サディスティックに迫る

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

53

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚