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🤍ラウside



めめのマンションからの帰り道。



🤍いいなあ。めめはこれからお家デートかあ



マンションの方を振り返りながら、俺は一人ごちた。


色々と気持ちが消化不良で、とにかく寂しいし、ストレスがたまっていてむしゃくしゃする。


このままただ家に帰るのは嫌だった。


俺はメンバーの中で一番フットワークが軽そうな康二くんに電話をかけた。

ほとんどコール音が鳴らないうちに、電話が繋がる。

さすが困った時は優しい康二くんに限る。



🤍もしもし、康二くん?


🧡おー、ラウか。どないしたん?


🤍ねえ、今から飲みに行こうよ


🧡なんや。話でもあるん?


🤍あると言えばあるし、ないと言えばない


🧡なんやそれ、なぞなぞか!!(笑)


🤍だってめめにフラれて、このまま家に帰るの寂しいんだもん


🧡あ。今、外におるん?


🤍うん


🧡じゃ、うち来るか?ちょうどしょっぴーもおるで!


🤍あー。俺、急に用事思い出した!


🧡え?


🤍ばいばーい!切るねーー!!


🧡ラウ?おい!…



俺は一方的に電話を切った。



🤍ふっっざけんな!!!



もう繋がっていない携帯に向かって俺は毒づく。

今日も一緒なのかよあの二人。もしかして本当は付き合ってるんじゃないだろうな…。


この件はめめに何度か確認したことがあるけど、めめはそんな話は聞いてないと言っていた。だから俺も一応信用しているが、あの二人はとにかく仲が良すぎる。


あーいらいらする!!

しょっぴーもしょっぴーだよ!!!

人の気も知らないで!!!!!


今康二くんの家に遊びに行ったりしたら、目の前でイチャイチャされたり、二人がかりで俺だけ子供扱いにされたりするだろう。

そんなの絶対嫌だ。



🤍しょうがない。帰るか…



俺は大通りに向かってタクシーを探しながらとぼとぼと歩き始める。

すると今度はとんでもないものを見てしまった。



🤍あれは…岩本くんとふっかさん??



見慣れた二人が手を繋いで歩いているのが見える。俺は目がいいので、絶対に見間違えるはずはない。


あの二人、付き合ってたのか…。


メンバー内でふざけて盛り上がったことはあったけど、まさか本当にそうだったとは…。


めめと阿部ちゃんといい、岩本くんとふっかさんといい、俺のいるグループの風紀はどうなってるんだ。

俺は自分のことはすっかり棚に上げて、ますます不貞腐れた。



🤍あーあ!!!俺だってしょっぴーと恋人繋ぎしたい!!!!!



いい若者が、周りのおじさんたちに置いていかれて一人だけ遅れを取っている。

俺はもう何もかもが嫌になって、やっぱり家に帰るのをやめた。今日はなんだか感情の乱高下が激しい。それもこれも全部しょっぴーのせいだ。



🤍そうだ、こうなったら一人で飲みに行ってやる!



俺は勢いよく夜のネオンの街へと繰り出した。







人生で初めて、たった一人で、お洒落なバーのカウンターで俺はウィスキーを飲んでいる。ロックは以前強すぎて懲りたので、水割りにしてもらった。

薄暗い照明の下、カラカラとグラスの中で氷が鳴るのがなんだか大人っぽいなと思う。

映画か何かで見た真似をして、指で氷をかき混ぜてみる。


この店はカウンターだけでなく、店全体の照明もかなり暗いので、誰も俺の正体に気付かなそうなのもいい。

場所柄、外国人モデルくらいには思われてはいるかもしれないけど。

携帯で適当に検索して見つけた店だが、なかなか気に入った。



「お兄さん、一人?」



すると急に隣りにいきなり初対面の女性が座って来た。


誰?


俺は固まってしまった。


こういう場合、いつもならメンバーの誰かが助けてくれる。 でも今日は一人だから自分でなんとかしなければならない。


なんて言って断ったらいいんだろう?


俺がいつまでも答えないでいると、焦れたようにその女性がさらに近づいて来た。



「ねえ、私と一緒に飲まない?」



紅い唇と、派手な化粧。安っぽい香水の匂い。

こんなに暗いのに、顔だけがお化けみたいに白く浮き上がって見える。厚塗りのファンデーションの奥で、俺を上から下まで品定めするように見ている視線がマジで気持ち悪い。年齢も俺より大分上だろう。


これが巷で言う逆ナンってやつなのだろうか?


正直言って俺は恐怖しか感じない。

来るんじゃなかった…と、頭の中が後悔の念でいっぱいになった時、 後ろから聞き慣れた声がした。



💛お姉さん、そいつ、俺らのツレなんで


💜行こう



岩本くんとふっかさんだった。

二人はいつの間にか俺のすぐそばまで来ていて、俺の腕を引っ張り、そのまま店の外に連れ出してくれた。



🤍ありがとう…二人とも


💛何してたんだ、こんなとこで


🤍ちょっと悪いことしたくて…


💜なんだそりゃ(笑)


💛気をつけろよ。下手な揉め事とかになると大変だからな


🤍……ごめんなさい



俺は素直に謝った。


慣れないことはするもんじゃない。いくら大人の真似事をしたって、俺はまだまだみんなに守られてるガキなんだ…。

すごく悔しいけど、今回は認めるしかない。

ふっかさんは、落ち込んでいる俺の背中を優しくさすった。



💜まあまあ。ラウにも色々あるよな


🤍……


💛もう今日は帰れ


🤍うん、そうする


💜俺たちで送ろうか?


🤍ううん、二人のデートの邪魔しちゃ悪いから一人で帰る


💛え…?


🤍二人とも、外で手なんか繋がない方がいいよ?誰が見てるかわからないから


💛💜………なっ



揃ってぽかんとした後、真っ赤になった二人を置き去りにして、俺はタクシーを拾って乗り込んだ。


俺だってただ助けられてばかりじゃない。

意地悪な八つ当たりをして少しは胸がスッとした。

国民的年の差カップル

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