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ではスタート
第一章
Kisaragi You Side
人間は生まれた時から運命が決まっているらしい。
だから、今自分が死ぬか生きるかに立たされていても、何も感じない
たとえ、十七歳で消える命だとしても、僕は何も感じない
Nurse「You君、おはよう」
寝ていたら、看護師が色んなものを持ってきて部屋に入ってきた。
僕は何も言わず、布団の中に潜った。
僕はイライラしている。
理由は、WIFIも使えない部屋に閉じ込めたれている状況が許せなかった。
Nurse「今日は天気がいいから、カーテン開けるね」
僕の返事を待たずに、看護師が窓に近づき、白いカーテンの隙間から、眩しい日差しが入ってきた。
それを食らうように僕は布団の中に潜り、顔を隠した。
You「閉めてください」
Nurse「……でも」
You「外に行きたくなるので、閉めてください。」
強く言うと、再びカーテンは閉まった。
僕の心臓は生まれた時からうまく動かない、病名は「心臓病」
僕は今まで、みんなのように普通に暮らしたことがない。
ここから出たことがない。
僕の友達はみんな退院して普通に暮らしている。
なんで、どうして、僕の心臓はこんなに弱いのだろう。
You「ねぇ、僕いつ……退院できるの…?」
僕は小さな声で看護師に問いかけた。
もし普通の生活ができてたなら、僕は今頃高校に入学しているのだろうな。
Nurse 「今日の診察の時に無い子先生から話があると思うから。」
僕 の悲しみと反対に、看護師は冷静に答えた。
迎えた午後。僕は看護師と一緒に診察室と書かれた部屋に入った。
正面に座っている無い子先生は、僕のことを小さい時から診察してくれている主治医だ。
年齢は30代後半くらいで、独立だと言うことを噂で聞いたことがある。
一見すると怖そうな顔をしているけど、性格は温厚で、物腰も柔らかい。
無い子先生とは長い付き合いだから、話しやすいし、僕が一番信用している先生でもあるけど……。
最近少しだけ、よそよそしさを感じていた。それが僕の勘違いならいいけと思ったけど、予想は命中してしまった。
Naiko「You君、そろそろ心臓移植について本気で考えてみようか」
今までは、なんとなく心臓移植の話はされていた。
『今すぐではないけど、いずれ必要になる。』
そんな言葉を聞かされていた、おかげで特に動揺はしなかった。
You「まだ、大丈夫だよ。だってYouさん元気だもんもん」
Naiko「外見は変わってなくても、You君の心臓は日に日に弱くなっているんだよ。You君も知ってるでしょ?」
You「知ってるけど、…Youさんが聞きたいのは、いつ退院できるの?」
Naiko「心臓移植したらすぐに退院できるよ」
You「もう聞き飽きた。いつもそう言ってYouさんを騙してたんでしょ?『すぐにすぐに』って言ってるけどもうYouさんこの病院に15年間も入院してるんだよッ!」
僕はかっとなってしまった。心臓もバクバクなって聞こえる。
Naiko「ごめんな」
You「じゃぁ、もし心臓移植できなかったら、…僕はあとどれぐらいで死ぬの…?」
Naiko「ッ…あと2年以内」
無い子先生ためらいなが言った。でも、誤魔化すことなく言ってくれた。
僕は部屋に戻ったあと、無い子先生に渡された資料を読んで、病院の屋上に向かった。
この病院は7階建てで、リハビリ庭園になっている屋上には、季節の花が咲いている。
日中は外来患者の出入りも多く、比較的賑わっている。
でも、夕方になるとこの場所は貸切になる。
You「さむっ……」
元々寒がりな僕は、夏が過ぎてしまえば、すぐに冬用の洋服をひっぱり出す。
一応病院が出している服は着ているが、その上にスウェットを着るようにしている。
僕は病院が大嫌いだって、僕の普通を奪う。
???「ねぇ君You君でしょ?」