トラゾーの場合
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トントンと料理をしている音が聞こえる。
いつもは構い倒してくるトラゾーが唯一構ってくれない時間だ。
1人で寂しくなったぺいんとはムスッとしながらトラゾーの元へ向かう。
ぎゅっ
「ん?ぺいんと包丁使ってるんだから危ないよ。今日は甘えたさんなの??」
違うしっと素っ気なく返すものの、抱きついて離れない。
「もーしょうがないなぁ」
ぺいんとと向き合ったトラゾーは触れるだけのキスをする。
ちゅぅ
ビクッとなりながらもトラゾーの唇を受け入れる。
「今はここまでな。後で構ってやるからまずはご飯食べよ」
うん、と少し悲しそうなぺいんとの頭を優しく撫でた。
クロノアの場合
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にゃーと鳴く子猫を抱いて離さないクロノアはぺいんとが嫉妬していることに気づかない。
小さくて愛らしい子猫に夢中なのだ。
数日前、捨てられていた子猫を拾ってからクロノアはぺいんとに構うことが少なくなった。
普段あまり言葉に出来ないぺいんとはある行動にでた。
ぎゅ
あぐらをかいて座っているクロノアに後ろから抱きついたのだ。
俺にも構ってくださいと言わんばかりに強くぎゅっと抱いた。
「どうしたの??ぺいんと。
もしかして嫉妬しちゃった??」
抱きついたまま反応しないぺいんとにクロノアはこう呟く。
「大丈夫、俺はぺいんと一筋だよ。この子も後々2人で可愛がっていかなきゃだろ??ぺいんとも抱いてみな」
と子猫をぺいんとに渡す。
子猫の可愛さに頬を緩ませたぺいんとにクロノアが優しくキスをする。
「今日はぺいんとが後悔するまで沢山可愛がってあげるからね」
この後ぺいんとが美味しく頂かれてしまったのは誰一人知る由もない。
しにがみの場合
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この時しにがみは個人動画の編集に夢中になっていた。
ぺいんとは仕方ない、と分かっているものの構って欲しくて仕方がない。
昔は後輩であるしにがみにこんなにも可愛がられるとは思ってもいなかった。
だが、今ではしにがみに構ってもらわなければ寂しい、と思うほどしにがみに好意を抱いている。
寂しさの限界に達したぺいんとは編集をしているしにがみを椅子ごと覆い被さるようにハグをする。
「あれ、ぺいんとさん僕に構って貰えなくてさみしいんですか??」
可愛いですね、と言ったしにがみにぺいんとはこんな身体になってしまったのはお前のせいだ、と顔を伏せながら言う。
きっと伏せている顔は赤いのだろうと愛おしくなったしにがみは編集を放棄し、ぺいんとをベットに押し倒す。
身長の低い方が押し倒すこの光景は誰が見ても逆だと思うだろう。
でも2人の中ではぺいんとが下と決まっている。
「ぺいんとさんが煽ったんですよ??恨むなら自分を恨んでください、、♡」
この瞬間、ぺいんとは明日歩けないことを覚悟した。
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