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21 - 三日月「美形な厳格執事と、ロマンティックLOVE」Ⅱ

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2025年04月30日

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「パートナーのこと忘れてたから、今夜は行かないことにする」


思わず面倒になり、そう口に出すと、


「いけません、お嬢様」


三日月から即座にいさめられた。


「今宵の催しは、子爵さまからの大事なご招待です。直前の欠席などは失礼にあたります」


「わかってるけど……でも……」


と、口をとがらせる。


「でも、パートナーがいないんじゃ、しょうがないじゃない……」


ぶつぶつと言う私に、


「どなたか今からでも大丈夫な方もいらっしゃるかもしれませんし、よろしければ私がご連絡をしてみましょうか?」


そう矢継ぎ早に問いかけられて、


「いい……」


隙のない三日月にやや気疲れをして、私は力なく首を横に振った。


「子爵さまに悪いですから……」


三日月が言いながら、連絡を取り付けようとして電話に手をかける。


「いいから……」


受話器を取る手を制して、はたと思いついたことがあった。


どうせなら、この男をパートナーにしてみるのはどうだろうかと──。


「…ねぇ、三日月? パートナーにはあなたがなってくれない?」


我ながら面白い思いつきに感じるも、


「私が…ですか?」


当の三日月は怪訝そうに眉を寄せ、すぐには乗ってくれる気配もなかった


「そう。だってあなたが、今夜の私のパートナーになってくれれば、なんの問題もないでしょ?」


そう言いつのって、にっこりと有無を言わさぬ笑顔を浮かべて見せる。


「いけません。私は、あなたの執事にすぎないのですから。パートナーになど、なれるわけがありません」


三日月は頭から否定をしてくるが、そんなことくらいは、とっくに想定をしていたことだった。


「でも、当日に会のご招待をお断りすることが失礼なように、当日のそれもギリギリな時間にどなたかをお誘いをするのも、失礼なことになはらない?」


もっともらしく訊ねる私に、


「それは……」


と、三日月が口を閉ざして押し黙る。


礼儀を重んじる彼が、常識を振りかざせば困惑するだろうことはわかっていた。


完璧なこの執事を、少しでも困らせたくて、なんとかやり込めたくて、私は、


「ねぇ、だからいいでしょ?」


と、さらに詰め寄った。


「大丈夫よ、今日は正体を隠して参加する仮面舞踏会なんだから。あなたが誰かなんて、きっとわからないもの」


ここぞとばかりに言う私に、


「わかりました……」


ようやく観念した様子で、三日月が答ええた。


(やった……!)と、心の中で叫ぶ。彼に初めて勝ったような気がして、うれしかった。


「では、私も用意をさせていただきますので、お嬢様もお時間に遅れないよう、ご準備をお願いします」


「うん! じゃあ、あとで玄関前で待ち合わせね?」


「はい、理沙様」


三日月が軽く会釈をして、着替えるために自室へと戻っていくのを見送り、部屋で舞踏会の支度を始めた私は、とても上機嫌だった。


あの三日月をパートナーに連れていくなんて、楽しみでしょうがなかった。


隙を見せない彼が、舞踏会でどんな姿を見せてくれるのかと思うと、今から胸がドキドキと湧き立ってくるようだった──。

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