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side柴田凶平
その日、ミントとクリスマスの買い物に行っていると、栗原さんの秘書から電話がかかってきた。
俺はミントを自宅に連れて帰ると、大和ダンジョン委員会に向かった。
「柴田です。
お呼びでしょうか?」
栗原さんから入ってくれ、との声があったのでドアを開けた。
「柴田。
単刀直入に言おう。
Eシリーズの最新作であるミントがいずれ覚醒体堕ちするかもしれないことは、もう知っているな?」
「…はい。」
俺は少し驚きつつも、短くそう答えた。
「もし、それを止める手段があるとすれば、どうする?」
さらに、意外な言葉が続き、俺はかなりの衝撃を受けた。
「本当にそんな方法があるのですか…?」
「あるんだよ、それが。」
「あるならば、その方法をミントに試してみてください!」
「そう言うと思ったよ。
しかしね、それには必要な物があるのだよ。」
「一体なんですか?」
「エルフの血さ。」
「エルフ…の…?」
エルフ…
ダンジョンにも生息していないし、見た事も無かった…
いや、よろず♾️の屋敷で…
ま…さか…?
「まさ…か…?」
「そう、そのまさかだ。
柴田、ミントを、妹を、助けたければ、よろず♾️と戦ってエルフのミアを手に入れろ。」
栗原さんは言った。
「し、しかし…」
俺はかなり動揺していた。
「何を戸惑う必要がある?
ミントを助けたいんじゃないのかね?」
栗原さんは畳み掛けるようにそう言った。
「しかし…
あちらにも、バニラという少女が…」
「そんな事は関係無いだろう?
君はミントを助ける為ならば、どんな事もやる、そう言っていたでは無いか?」
「そうですが…」
「まぁ、急にとは言わない。
少し考える時間を与えよう。
ミントとゆっくりクリスマスを過ごすと良い。」
栗原さんは上辺だけの優しさを見せた。
俺はそれからどう帰ったかもわからないまま、気づけば自宅へ帰り着いていた。
ミントは低い椅子に乗って、一生懸命クリスマスツリーの飾り付けをしている。
「なぁ、ミント…?」
「なに、お兄ちゃん?」
「お兄ちゃんがミントに、バニラと戦ってくれって言ったら、どうする…?」
「…バニラちゃん…と…?
…お兄ちゃんの敵はミントの敵だから、戦う…」
ミントはそう言った。
「そうか…
いや、今はクリスマスを楽しもう。
ミント、ケーキとチキン買ってこようか?」
「うん!
お兄ちゃん、大好き!」
「あぁ、俺もミントが大好きさ。」
そうして、クリスマスに向かって、また、一日が終わろうとしていた。
最悪のクリスマスに向かって…