テラーノベル
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第8話 「戻れないって、気づいたあと」
あの夜のあと。
《Nocturne》は、普通に営業していた。
普通に。
それが逆に、いちばん異常だった。
prとtgは、喋る。
仕事のことは。
注文のことは。
ミスのことは。
でも、それだけ。
「tg、それ運んで」 「うん」
「prちゃん、これ確認して」 「おう」
必要最低限。
それ以上は、ない。
mzは見ていた。
何も言わずに。
でも一番よく分かっている顔をしていた。
「逆にすごくね」
akが小声で言う。
「ここまで気まずくなる?」
mzは即答する。
「なる」
「両片想いなめるな」
その頃。
厨房。
ktyは皿を持ったまま止まっていた。
「あのさぁ……」
atが隣でぼそっと言う。
「空気、重い」
「うん……」
ktyは笑えない。
いつものほんわかが出ない。
原因は一つ。
二人が“終わらせていないこと”だった。
夜。
閉店間際。
客がいなくなった店内。
prとtgだけが残る。
「なぁ」
prが先に言う。
tgは少し遅れて振り向く。
「うん」
沈黙。
いつもなら埋まる間。
でも今日は埋まらない。
prは視線を落とす。
「このままだとさ」
tgの指が止まる。
「無理だろ」
tgは何も言わない。
でも、否定もしない。
その沈黙が一番痛い。
「……俺さ」
tgが小さく言う。
「戻りたくない」
prの目が上がる。
「でも」
tgは続ける。
「今のままも、きつい」
prの喉が動く。
「じゃあどうすんだよ」
その声は少し荒い。
tgは少しだけ笑う。
「わかんない」
それが一番ダメな答えだった。
prは拳を握る。
「またそれかよ」
tgは一瞬だけ黙る。
そして。
「じゃあさ」
顔を上げる。
「一回ちゃんと、言おうよ」
prの眉が動く。
「ちゃんと?」
tgはゆっくり頷く。
「好きとか、じゃなくてさ」
「怖いとか、嫌とか、嬉しいとか」
「そういうの」
prの呼吸が止まる。
「……面倒だな」
tgは笑う。
でも今度は逃げる笑いじゃない。
「うん」
「面倒」
「でも、このままだともっと壊れるでしょ」
その言葉で、prは少し黙る。
たぶんもう、
壊れてる。
でもまだ気づいてないふりをしてただけだ。
prはゆっくり息を吐く。
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「……わかった」
tgが少しだけ目を見開く。
prは続ける。
「じゃあ、ちゃんと話す」
その瞬間。
空気が少しだけ変わる。
でもそれは、修復じゃない。
“再崩壊の準備”だった。
続く
ふへへへへへ
atくん誕生日おめでとう。
36分遅れたけどね。
コメント
2件
ええええ~再崩壊だなんて!😭 でもそれもいい!✨
第8話、読んだよ……。めちゃくちゃ空気が重くて、でもそれがリアルで刺さった。特にtgの「戻りたくない」「でも今のままもきつい」って言葉、本音と葛藤がぎゅっと詰まってて胸が痛くなったわ。prの「またそれかよ」も、もう何回も同じループしてきたんだろうなって伝わってくる。mzの「両片想いなめるな」が的確すぎて笑えたけど、ホントその通りだよね。最後の「ちゃんと話す」が希望なのか崩壊の準備なのか……続きが気になりすぎる。atくん誕生日おめでとう!36分遅れも愛だよ🔥