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ruruha
ライラ からぴち・シクフォニ♡
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「……うーん、洸くんはサラリーマンやな。スーツ着慣れてる感がある。弦くんは絶対スーツは着ないような職業かな。スーツの折り目が綺麗すぎて、普段着てない感がある。どっちかと言うと、身体動かす系な感じがする」
「ほら、あらたせんせ、天然やん。俺らの話そっちのけでクイズの答え考えてた」
「ふふっ? そう?」
3人で笑いながら頼んだオリジナルカクテルを口に運ぶ。こんな風に3人でお酒を飲む日が来るなんて思ってなかったな。
「あらたせんせ、正解! 俺はサラリーマンで営業やってる。おとうやくうちゃん達と一緒」
「……でも会社員は意外やな。もっと、自由で人と近い職業につくんやと思ってた」
「俺が甘えん坊やったからやろ? 甘えてたんはあらたせんせにだけやから」
俺だけに向けられた笑顔が嬉しい。俺だけが特別なんやと言われているようで嬉しい。
「俺も、なんとなく正解!実は保育園の先生やってます!!」
「え!すごいやん。なるとしたら、穏やかで優しい洸くんかなって思ってたけど……でも、確かに、元気な弦くんなら納得できる」
「でしょ? 意外と俺、園児達に大人気なんやで?」
「子供達は裏表のない楽しい人に惹かれるからね。うん、ぴったりやわ」
「やっぱり新先生はわかってるわ」
弦くんが嬉しそうに笑った後、ふと洸くんと目が合う。
「……あらたせんせ、俺も褒めて?」
洸くんは甘えるように目を細め、俺の膝の上にぽんと自分の手を置いた。
「……大きなったな?頑張って大人になって……お仕事も頑張ってえらいえらい」
俺は、自分の膝の上にある洸くんの手を見て、素直に声を上げた。
昔は俺の指をきゅっと握るのが精一杯だった、小さくて柔らかかった子供の手。それが今や、指が長く、少し筋張った立派な『大人の男の手』になっている。
首元から漂う匂いも、かつての赤ちゃんの残り香のようなものではなく、洗練された香水の香りがする。
「……ほんま男らしくなったな? 2人とも、これなら、結婚しても大事な人守っていけるな?」
まるで親戚のおじさんの気持ちが湧いてきて、温かい目で見つめると、洸くんは一瞬だけ、不思議そうな顔をして俺を見つめ返した。
「結婚? ……今は自分で精一杯で興味ないかな? それより、あらたせんせ、次の週末、家に遊びに来てよ。俺、料理作るのうまなってんで?」
「何言うてんねん、洸。新先生、東京暮らしやのに、交通費いくらかかると思ってるん?」
「あ……そうか、じゃあ、又会えなくなるん?」
洸くんの悲しそうな視線が痛い。こんな可愛い子に育って。ほんまに、あの2人がどれだけこの子達を大事に育ててきたか、手に取るようにわかる。
「……実は、やりたい仕事があって。こっちに帰って来ようかなって考えてはいた。まだ数ヶ月先の話やけど、前みたいな頻度で会えるようになると思うよ」
1人であっちにおる時は、本当は迷ってた。この年齢で職場も住む場所も変えるのは容易な事じゃない。だけど、今の洸くんや弦くんはあの頃とは違う、自分の決めた道をいく、しっかりした大人になった事を確認したら、俺も負けてられへんなと思った。
「え! やった! じゃあお帰りなさい会しよ! そん時は俺も洸の料理手伝うから!」
「やめて! 弦が手伝ったら全部残飯になる」
「なぁ、新先生、洸がいじめるぅ」
「こら! 俺のあらたせんせに甘えんな!」
洸くんと弦くんのやりとりを見ながら、俺は微笑みながらお酒を口に運ぶ。
あの子たちが、こんなに真っ直ぐ、立派に育ってくれた。かつて彼らの家を去る時、寂しさに胸を締め付けられたけれど、今日の彼らの笑顔を見て、自分の選択は間違っていなかったんやと、心から誇らしい気持ちで満たされていた。