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すれ違った先に、、

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すれ違った先に、、

1 - 第1話 「バレた、、?」

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2024年08月20日

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蘇芳.side/


「桜さん!また喧嘩に巻き込まれて勝ったって聞きましたよ!やっぱり桜さんは最強ですね!」

「さすがだよねぇ〜」

「うるせぇよ。あいつらが弱かっただけだろ」

朝から桜くんはみんなに囲われてる。いつも通り喧嘩に巻き込まれて、一人で解決したのだろう。それでも、桜くんは自分の実力を過信しない。

「ふふふ。桜くんが強いんだよ。やっぱり優しいね」

こんなに風に言えば

「そっ//そんなことねぇ!//あいつらがっ//

弱ぇーんだ!//弱ぇーやつらが調子に乗っててムカついたからだし//」

こんなに風に顔を真っ赤にして返してくる。なんて愛らしいんだろう。喧嘩ではすぐに噛みついて、手が付けられないのに、

本当はすごく初心で可愛らしい。褒められれば顔を真っ赤にし、ムキになる。たまに笑う顔は、見ている皆んなを幸せにする。そんな人だ。だから、そんな桜くんには人が集まってくる。俺もその一人だけど……。



でも、最近気付いてしまった。

多分俺は桜くんに恋してる。



それに気が付いてからは少しだけ距離を取ることにした。こんな気持ちはきっと初心な彼を混乱させてしまうから。

元々ふらふらしてるから、誰にも怪しまれることはないし、大丈夫。きっと諦められる。


そう、思っていた。



「蘇芳さんって、最近桜さんとなんかありました?」

「えっ……?」

予想外だった。

「……どうしてそう思ったの?」

「あっ!いえっ!なんか桜さんとの距離がいつもより遠いなって感じたんで!あっその気のせいだったらいいんですけど……」

「…大丈夫。気のせいだよ……」

「そッうですよね!失礼しましたぁ!」


まさかにれくんに勘付かれるなんて。

(いや、でもにろくんはよく俺達のこと見てるから。他の人は、ましてや桜は鈍いし、ね。)

若干の焦りはしたけど、ここで辞めるなんて出来ない。きっとあと少しの辛抱だから。



桜.side/


「桜さん最近蘇芳さんとなんかありました?」

にれが突然聞いてきた。


なんだか最近、蘇芳に避けられてる気がする。確証?はない。でも、そんな気がする。

にれが聞いてきた事で少し意識したのもある。でも、やっぱりおかしい物はおかしい。朝だって

「桜くんが強いんだよ。やっぱり優しいね」

いつもの口調で言ってはいたけど、いつもなら、俺のすぐ後ろから声を掛けてくるのに

今日はにれの後ろから声を掛けてきた。あいつはふらふらしてるけど、芯があるやつだ。

俺をからかうにしても、あんな風に少し離れたところからするやつじゃない。でも、他のやつとは普段と変わらない距離。つまり、

俺だけ。


(もしかして、俺が蘇芳を好きなことがバレたのか?だから……)


俺は蘇芳のことが好きだ。でもこれは、仲間としてってことじゃない。つまり、、、そう言うことだ。もちろん、これが普通じゃないことはわかってる。けど、好きなもんは仕方がない。思ってるだけならいい、、、はずだ。だから、せめてバレないように気をつけて普段通りに過ごしてた。もし、知られたらまた、

『一人になる』


それだけは避けなくちゃならない。もう、

一人は嫌だから……。

「くそッ!」 /  ガンッ

前までは、平気だったのに、一人だったくせに、

「あいつも結局、、、」

『今までの奴らと変わらないのか?、、』


ぽたぽたッ、、

「ヒッグ、、ァグ、、フヴ、、」

(なあ蘇芳、、、お願いだから嫌わないでくれ、、、諦めるから。)

久しぶりに流した涙は、酷くしょっぱい味がした。

END

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