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「ファイトー!1.2.1.2」
「ファイトー!1.2.1.2」
サッカー部は決まって17時にランニングを始める。
僕はいつもこの時間になったら、楽器を片手に窓の外のグラウンドを眺める。
4階から見えるこの景色と秋の風が気持ちいい。
そして頑張って練習をしてる勇斗。
今年の2年生になってからまったく話してない。
廊下ですれ違ってもお互い目は合わせない。
気まずい感じ。
幼い頃から高1までは、ずっと友達で、親友で、帰り一緒に帰って、一緒に遊んでたのに、
ある一件で俺らはバラバラになってしまった。
「仁人くん、パート練習始めるよー」
「はい!すぐ行きます!」
でもいいんだ、あいつはあいつで、サッカー部の連中と仲良くしてる。
僕はもう友達なんかいらない。
こうして、勇斗を眺めてるだけでいい。
中学3年 春
「仁人ー俺進路希望かけねーよー。行きたい高校なんてないよー。」
「んー、勇斗くんはスポーツ推薦もらえるんじゃない?サッカー上手いし」
「上手くねーよ!てか、俺私立より公立に行きたいなー特に理由は無いけど」
「なんだそれ笑 僕は塩崎高校目指そうと思ってるよ」
「え?!塩高??あそこ頭めっちゃいいとこじゃん!しかもサッカーつえーし。いいなー俺も頭良かったらなー」
「頑張れば勇斗くんも行けるよ!僕とそんな順位変わらないんだしわ、あそれに、スポーツ科あるってよ。そこなら勇斗くんの夢だったサッカー選手目指せるんじゃない?」
「まじ?!じゃあ俺そこ目指すわ!高校でもサッカーして、日本一めざす!」
「笑笑 勇斗くんは努力家だからね。高校もサッカー選手もいけるよ」
「そうかー?仁人の応援されたらなんでも出来そうだな!てか、俺ら保育園からずっと一緒だな!」
「そうだね笑笑 ずっと一緒だね」
こうして勇斗くんとくだらない話だったり、将来の話をする時間が本当に楽しい。
前は思ってなかったけど、なんかこの「限られた時間」でたくさん勇斗くんと話したいって最近感じている。
この時間がずっと続いて欲しい。