もう中学3年の秋。
あと少しで卒業か、あっという間だな。
女子「勇斗くん!一緒にパン買いに行こー!」
「え!行くいく!仁人も行くよね?」
「僕はいいよ」
「えーそっか、じゃあちょっと行ってくるわ!」
イラつく。
勇斗に馴れ馴れしく話しかけんじゃねーよ。
卒業が近づいてると同時に勇斗への思いが重くなっている気がする。
そして勇斗に絡む意味わかんない格好した陽キャ女子が腹たって牙向けたくなる。
はー。前までこんなこと無かったのに。友達としては好きだったのに
こんなに独占欲なんてなかったのに、なんなんだよこれ。
すべてに腹立つ。
落ち着け自分。何考えてんだよ。たかが友達だろ。
思春期なんだよなおれは。すべてにイラついてしまう思春期なんだ。しょうがないよな。
「どうしたんだ?仁人。顔赤いぞ」
「うわー!!もう買ってきたのかよ」
「うん、買ってきた。ほら、お前の好きなメロンパン。、怒ってんのか?」
「怒ってないし、ありがとう、」
女子「ホント2人って仲良いよねーw なんかカップルみたいだね(笑)」
「そんなんじゃねーよ笑笑 仁人とは小さい頃からの仲だからなー、喧嘩もいっぱいしたし、おれは仁人の気持ち全部分かるんだぜ!」
嘘つき。
俺の気持ちなんてわからないくせに。
小さい頃からの仲?そんなんじゃない
僕の気持ちはそんなんじゃない
好きなんた、勇斗のこと。
でも、言えない。
もし言ったら、友達ですら無くなってしまう。
俺はこの感情をずっと隠し続けなければならない。
「おい仁人」
「な、なに!?」
「さっきから何思い詰めたような顔してんだよ。」
「そ、そう!?別にいつも通りだけど」
「いつもはもっと笑ってるのに。笑ってる仁人好きなんだけどなー。」
ずるい男。
好きなんて簡単に言わないで。
僕は我慢できなくてトイレに逃げた。
泣いてしまった。
もし、同じ高校行けなかったら、別々になったら、友達じゃなくなるの?もう話せなくなるの?そんなの悲しい。
タイムリミットが迫ってるのに 自分の気持ちは正直に言えない。
苦しい。
色々な感情が相まって涙が止まらない。
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