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19XX年10月5日 晴天
今日は以前から誘われていた食事会へ行ってきた。このところ胃腸の調子が悪く、中華料理には辟易していたので久し振りの日本食に舌鼓を打った。次官が週末予定を聞いてきたが、特に親しいわけではないので何やら不安になる。
19XX年10月6日 晴天
午前に会議を二つこなした。いよいよ列強に対抗して我が国も大陸での利権を獲得せねばなるまい。
午後次官より連絡あり。明日早朝に迎えの車を寄越すとのこと。
19XX年10月7日 曇天
次官は一体何故あんなものを見せたのか。とても良識ある人間の行動とは思えない。あの
狂気に満ちた群衆の眼、言い様の無い醜悪な臭い、とても耐えられるものではない。あの男が一体何れ程の罪を犯したというのか。聞けば明日、明後日も続くという。このような蛮行を許すべきではない。
19XX年10月8日
仕方なく今日まで次官に付き合った。聞けばあの男を切り取っている者たちは皆被害者の親族らしい。怨みをはらそうという被害者の感情に答えたものがこの刑罰ならば、あの男は今心底後悔しているはずだ。最早助かる見込みはなかろうが。
19XX年10月9日
あの男はどうなっただろうか?今日まで生き延び、刑を全うしたのだろうか?被害者の気は済んだのだろうか?そんなことばかりが頭を過る。