〖ごめんね。大好き。〗
読み切り。
ゆあもふ 激重 BL
最後にGLを含みます。
紅く染まれば可愛くなれるから。
寂しいほど一瞬で崩れられたら美しいから。
手に持った希望と憎悪が膨らんで、割れて、溢れだしてしまえば君はこっちを振り向いてくれるんだよね?
きっと忘れるこの快楽。
握り潰したくなるようなこの心臓。
殺したいぐらいの あ い 。
「ゆあんくんって、彼女とか居ないの?」
俺の名前があがる筈もないのに聞いてしまった。
ほんの少し期待したこの恋心。
20歳を過ぎても恋心だけは思春期で止まってしまっているようで、自分が恥ずかしい。
ゆあんくんは手元に握る清涼飲料水が注がれたガラス細工のコップを机に置き、一呼吸おいてから話し始めた。
いや、一呼吸というよりは、一つの溜息。
「…いないけど。」
冷たく言い放たれて、少しばかり胸が痛む。喉が閉まりきって、息がしにくい。
「でも…俺、好きな子居るんだよね…」
結露したコップの水滴が落ちるより早く、俺の恋は実らず幕を閉じた。
泥沼のようなこの恋心はどこへ行くのだろうか。
「…へ、へえ」
手が汗ばんで力強く握ってしまうのは、きっとこの後の言葉が不安だから。
だから…いや、違う。言い訳だ。
「めっちゃ可愛いくて、おっぱい大きいの!!」
俺は可愛くもないし、胸も無い。女性らしい柔らかな腰周り。何度も聴きたくなる声…何一つ持っていない。
「体操選手みたいに体柔らかくて、しかもめっちゃ面白いんだよね~!」
体も硬いし、ジョークの一つを言うことさえ俺には難しい。
「少し勉強が苦手らしいんだけど…(笑)」
俺の方が絶対頭がいいのに。
俺に、胸があれば、面白ければ、君は俺を好きになるってこと?
「それは、いい子だね…」
何の感情もこもっていない声のトーンにも気付かず、ゆあんくんはその子の事をそれはもう、幸せそうに、楽しそうに話してくる。
なんだか恨めしい。
「それでこの前…その子に告られてさ…」
さっきは、彼女が居ないと言ったじゃないか。
この話をしたいが為に虚言を吐いた?
それとも、俺を自分から引き剥がす為?
彼女ができたという優越感に浸る為?
「それで、どうしたの?」
「断った。」
「え?」
驚きで声が裏返る。動揺している事を気づかれてしまいそう。
きっと今、自分はしきりに目を泳がせているだろう。ゆあんくんの顔を見つめる事さえ難しい。
嬉しい…訳では無いけど、勿体ないだとかは思わない。それでいい、それがいい。
「クサイ事言うけど、俺から告白させてくださいって言ってさ…」
「そ、そうなん、だ…」
自分から言わなきゃ気が済まないほど好きなのか。愛してやまないのか。
なんだか視界が澱んできた。頭がぐらぐらする。胃が痛くなってきた気もする…
その子を愛しているならば_____
俺と過ごした夜はなんだと言うんだろうか。
俺が好きだと言ったじゃないか、そんなんじゃ…
俺が勘違い野郎みたいじゃないか。
「もふくんは?」
俺の気持ちを知るはずもなく、煽る訳でもない、単純な質問。
どうでもいいくせに。
目の前に居るだなんて、言えるわけないだろう?
「…いるよ。でも、無理なんだよね。好きだとひと言でも言うのが。」
「なんで?」
「その人には 恋 人 がいるから。」
ごめん、ごめんね。冷たくて重い空気を作ってしまって。
でも君のせいでもある。
「でも、別れるかもよ。諦めちゃだめじゃない?」
「だよね…もう少し頑張ってみようかな」
そんなくだらない話が終わると、また二人で甘い夜を作りあげてしまう。
罪だと知る術はどこにもない。
_事後_
溺れて窒息してしまいそうな、ひたすらに深い快楽が終われば、ゆあんくんは急に素っ気なくなってしまう。
しょうがない事。
けどこんな俺でも、どうしても寂しくって寄り添っていたくなってしまう。
「ね…ゆあんくん__」
いつものように口付けをして欲しい。
目を見て。
頭を撫でて。
髪をいじって。
体温を分けて。
爪が食い込むくらい抱き締めて。
なんなら、いっそのこと唇を噛みちぎって。
そしたらもう、諦めるから。
そう思ってゆあんくんの肩に触れた。ほんの少し、指の先が触れただけ。なのに、
「ごめん。」
伸ばした手を叩き、そう吐き捨てた。
そう。まるで俺を突き放すように。勢い良く、それはそれは冷酷に。俺の手を叩いた。
そして、立ち上がると俺から逃げるように後ずさってしまった。
その汚物でも見るような眼差し。苦しいのに、どこか興奮してしまう。
先程まで、その汚物で君もよがってたくせに。
本能が思うままに腰を無我夢中で押し付けてきたくせに。
ああ、その眼差し、とても鳥肌が立つよ。
目玉ごとくり抜いてホルマリン漬けにしてしまいたいぐらいだ。
「もうキスは出来ない。」
「ぁ…、…」
でも、何も考えられない。
叩かれた手の痛みもすっかり忘れてしまって、ゆあんくんから目が離せない。
なんと返せば正解か?
「男とキスしたなんて知れたら、冷められちゃうから…その子を大事にしたいんだ。」
そうか、そうか…やっぱり、予想どうり。
君にとって俺は所詮菌。汚物、邪魔者、厄介者。
男とキスしちゃいけないの?
好きになったらいけないの?
俺はいけないことをしているの?
当たり前と思う反面、涙を枯らそうとする俺がいる。ベッドに脱力して座る俺は傍から見れば滑稽で仕方がないだろう。
シーツが乱れ、シワだらけになっていた。
シワだらけのシーツを見て、まだ腹の奥がぞわりぞわりと、 ゆあんくん を探している事に気がついた。
「ごめん、」
「もふくんもきっと数年後には結婚してるんだよ?こんな事やったって、誰も得しないよ」
「だから、」
「もう辞めよう、この関係。」
「…そっか、」
「わかった…。」
一度でも君に伝えておけばよかった
好き だと。
君に全て捧げたいと。君の全てをこの目で見たいと。
「今までありがとう。俺、帰るわ」
「じゃあ。」
扉が閉め切られると室内はあっという間に静寂に包まれた。
己の心臓が生きるために、酷く滑稽に活発に荒く動いている音だけが吐きたい程聞こえてきた。
「あ~ぁ、捨てられちゃった…」
純粋な愛なんて捨てて、快楽だけを求めればいいのに。これが罪だと言うならばそれでもいいじゃないか。
愛のいらない恋でもいいじゃないか
どうして、俺じゃ駄目なの?
_数週間後_
あれからあっという間に時が過ぎていった。
自分が憎くなるほど、ただひたすらに孤独感に襲われてしまい、立ち上がることすら億劫になってしまった。
魂が抜けたように寝転んでただ天井を見つめる日々。生きる屍とはまさにこの事。
窓を締め切っているせいで淀んだ空気がたちこんでいるこの部屋に居ると、息が上がって死んでしまいそうな程苦しくなる。
ふと、スマホを手に取り、ゆあんくんのSNSを漁り始めた。特に、用もないけれど。
別れてしまえばいいのに。と、最低な事を一瞬でも考えた自分が恐ろしい。
『人生初彼女です!!』
長髪が美しい、でもなんだか愉快そうな顔の女の子とのツーショット写真。
その写真の後には腹が立つ程長文の、彼女への愛が綴られていた。
スマホをへし折ってやろうかとも思った。
いや、ゆあんくんは悪くない。
この女が、この女が悪いんだ
そうだ、
俺は被害者なんだ!!
愛の為なら邪魔者は退けなきゃ。
ゆあんくん、言ったよね。
いや言ってないかもしれないけれど…愛が最も美しいと、俺に言ったよね。じゃあ、俺も、愛を大優先しなきゃいけないよね。それが、それが人間の最大の務めだよね。
「はッ…アはははははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
喉が張り裂けるほど笑うと、不思議と力が湧き上がった。さっきまでの倦怠感が嘘のよう。
酷い殺意と幸福感が堪らなく、ただ堪らない程心地よくて、ずっと、ずっと笑っていられた。
笑いすぎて喉が傷つき、少し血を吐いてしまった。
いつの間にか雫が二、三滴、頬を走り抜けていった。
どうやら彼女は「えと」と言うらしい。
頭がおかしくなるほど、女のことばかり考えて一日が終わっていく事が何日も続いた。
いなくなっちゃえばいいのに。
そしたらゆあんくんはまた俺の所に戻ってきてくれるのに。
ゆあんくんに忘れられればいいのに。
捨てられる気持ち、味わってしまえばいいのに。
どうにか身元を探れないかと、ずっとSNSを漁っていた。
ゆあんくんのことだ。この女のこともポロポロと情報が漏れているだろう。
そんな抜けてるところも狂おしい程 愛 お し い 。
-えと-
都内在住の大学生で、ゆあんくんと同い年。
チョコレートが好き。
昔グレていた。
そして、
今日は付き合って1ヶ月の き ね ん び 。
これから で ぇ と に行くらしい。
◯◯駅前公園で◯時に待ち合わせ。
ここまで調べられた達成感と、自分への恐怖が入り交じって複雑な気持ちになってしまった。
窓から日が差し込むと、久しい陽の光に目が眩んだ。
荒れた部屋とやつれた自分の姿が憎らしいほど、窓にくっきりと反射していた。
これから二人の きねんび をつくるんだ。
せめて自分も身だしなみを整えなければ。
全身綺麗にして、服と髪を整えて、鞄に持ち物を押し込んだ。
スマートフォン、財布、薬、上着…
使わないものまで無駄に詰め込んで最後に
キッチンに投げ出されていた不気味なほど光沢のある鋭利な物をハンカチで包んで入れた。
何に使うかは特に考えていない。
凶悪的な気持ちになると、むせ返るような気分になって吐き気に襲われてしまう。
胃が空っぽで、お腹がすいているからかもしれない。
「…、」
えとさんと付き合ってから、もう1ヶ月が経過した。
生まれて初めての恋人で、心が妙に踊ってしまい、夜もろくに眠れない日もあった。
1ヶ月なんてあっという間だけど、記念せずにはいられない。
引きずっていた泥沼のような関係を断ち切った祝いも兼ねているとは、口が裂けても言えない。
もしかすると彼は…いや、多分、絶対、心を病んでいるはずだ。
彼は元々、自己肯定感が異常に低く、心を病みやすい人だった。
俺と体の関係があった頃も、よく心を病んで苦しんでいた。
病院に行こうと言っても、首を縦に振ることは無かった。ただずっと横たわる。食事ですらままならない。
口に押し込まなければ食べようともしなかったんだ。泣いて泣いて、息が詰まるほど長時間泣いて、気絶するみたく眠る。
ほんと、困った人だよな…
過去の記憶に、ほんの少し苦笑い。
もう今頃、飢餓とかでこの世を去っているかもしれない。
孤独死した彼の姿を想像すると、どうにもこうにも後悔の気持ちが湧き上がってくる。亡骸を誰かに見つけてもらえるだろうか。
でも、いいんだ。これで。
お互いの為だ。
「お待たせ~!!」
「お、来た!って…超かわいいやん!?」
いつもはカジュアルなコーデが多い彼女だが、今日は橙色の花が描かれたワンピースを着ていた。
シンプルに可愛い。
「ふふ、ありがとー!」
「今日どこ行く?なんか欲しいものとかある?」
「えー…ゆあんくんが欲しいかなあ」
「…それ普通俺が言うセリフじゃない?」
「まあまあ」
他愛もない会話をして、彼女と手を絡めあった。
温もりのある柔らかな手は、息を忘れるほど落ち着くものだ。
拒食で痩せ細った貧弱な手ではない。
自傷行為で傷だらけになった手ではない。
柔らかい、温かみのある手。
やっぱり女の人がいいな。
周囲の目なんか全く気にならない。
今幸せならなんだっていいさ、
でも
快楽だけは、ずっと、満たされないまま。
「いた。」
思わず口にしてしまった。駅前の公園は、休日という事もあり混みあっていた。
人がごった返していても、直ぐに目にとまった。かつて自分が恋心を寄せていた人。
今、自分は挙動不審じゃないだろうか。
久しぶりの外は、思ったより怖かった。全員こちらを見ているような気がして、まともにまっすぐ歩けない。
しかし今はそんなことどうでもいい。
2人が人気のない所に行ったのを俺は見逃さない。
チャンスを逃す程、馬鹿じゃない。
さあ、幸せになろう?
「まって、お腹痛くなってきた…」
「え〜、デートの前ぐらいちゃんとトイレは済ましておきなさいよっ!」
「ごめんなさい…笑」
「さ、ちゃっちゃと行ってきな?」
「ありがとー!えとさんは神様だ!」
「ねえ、そこのお姉さん。」
聞き覚えも無い声が私を呼んだ。
特に何も考えず後ろを振り返ると、一人の男の人が立っていた。
病気なのかと思う程やつれていた。なのに衣服、髪、なんの乱れも無い。
その異質さに私は、少しばかり恐怖を覚えた。
「あの、大丈夫ですか…?」
「はい。」
たった一言。
か細く返事が聞こえた。
「どうされましたか?私に何か御用ですか?」
「少しだけ。」
そう言うと急にこちらに近づいてきた。顔色一つ変えず、でも私の目の中心をしっかりと捉えていた。それもまた、恐怖を煽る。
「あ、あのっ!!」
次の言葉を発する前にもう目の前まで迫っていた。何がしたいか分からなかったけれど、刃物か鈍器のようなものを振り下ろそうとしているのだけは分かった。
間一髪で避けたけれど、私はどうやら運が悪いみたいだ。電柱か何かに頭を打ち付けてしまった。
まずいと思ったが、男性がもう一度危害を加えようとする素振りは感じなかった。
そこからは、もう覚えていない。
気絶しただろうか。
よかった。直接、体や顔に傷を付けるのは少し躊躇いがあったから。ちょうどいい。
打ちどころが悪いとか、そういうのはないだろう。
「…ごめんなさい」
今まで膨らんでいた怨念が、まるで嘘みたい。知らぬ間に、口から謝罪の言葉が溢れ出ていた。
「どうしよう。俺はどうするべき…?」
呆然と、立ち尽くす以外、何もできない。
「お待たせしま、し、た…、」
「えと、さん…?」
どうやら戻ってきてしまったようだ。久しぶりに顔を眺めたい所だが、振り向くことが出来ない。
振り向いては行けない気がする。
振り向く資格がない気がする。
ああ、どうしよう。どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう
「えとさん!!?」
俺の横を駆け抜けたようだ。ふわっと懐かし匂いと共に小さな風が起きた。
懐かしの姿。数週間触れたいと強く願った背中。
「大丈夫?俺の声聞こえる?!」
気絶してるよ。声が届くはずがない。
息が出来なくなってきた。肩も足も何もかも重い。ご飯を食べていないのに、無理に動いたからだ。目眩もしてきた、ゆあんくんが二人に見える。
「…えとさんに、、えとさんに何したんだ!!」
急に振り返ったかと思えば、胸ぐらを掴んで壁に叩きつけられた。背中が酷く痛んだ。
その怒りに溢れた顔、初めて見たかもしれない。
怖い。
でも好き。
「なんで、なんで…」
「…。」
返す言葉が見当たらなかった。言い訳をする筋合いも無いから、何を話せばいいか分からなった。
「なんか言ってよ…」
ゆあんくんは、怒りを通り越して泣きそうだった。なにか言ってだなんて。無責任だよ。
ショックでご飯が喉を通らないとか
胃液以外何も出なくなる程何度も吐いたとか
泣きすぎたり、吐瀉物が喉に詰まったりして過呼吸を起こして死にかけたとか
実は君が好きだったとか
そういう事を言えばいの?
そうしたら、戻ってきてくれるの?
そうじゃ無いでしょう?
じゃあ、なんて言えばいい?
そう考えている内も、目眩や頭痛は威力を増していく。思考することもままならなくなってきてしまった。
息をしようとしても、上手く吸えない。胃液が込み上げてきそうになる。
死んでしまいそうだよ。
「ごめん。ゆあんくん。」
「ごめんって…そんなじゃ済まないよ?」
「ごめん、ゆあんくん。」
「だから…そんなんじゃ」
違う。
「ごめんね、好きになっちゃって。」
口にした瞬間、滝のように涙が溢れてきた。今までの分、全部出し切るぐらいの勢いで。
膝が笑ってしまい、ゆあんくんの胸に飛び込むようにして倒れた。
久し振りのこの体温。服越しでも伝わってくる。でも、もう味わったりしちゃいけない。
「っ…!!」
「ゆ”あんぐん”のことずっど、すきだっだの”」
「ごめ”んなさい”、すきに”なっで」
涙のせいで、支離滅裂な事を回らない呂律で言ってしまった。もう、何を言ったかさえよく思い出せないけど。
「もう”、死にだい…ごめん”、も”ぅ殺じて」
止まらな涙を言い訳に、ゆあんくんの体に手を回し、強く抱き締めた。
一方的な行為だと知っておきながら、やめることが出来なかった。
「…。」
何か、包まれるような暖かい感覚に襲われた。
「そんな事、言わないでよ。離れたく無くなるじゃん。せっかく、やっと普通に幸せになれそうだったのに。」
「もう、顔を合わせるつもりもかなったのに。なんでよ、もふくん。」
「やめてよ、そんな悲しい顔。泣かないでよ。どうして、どうしてそんなに…」
自分の嗚咽でほとんど聞こえなかったけれど、ゆあんくんは俺を抱き締め返してくれた。
「ゆあんくん…?」
「俺、思ってたんだ。もふくんが気を病んで、寝込んで、動けなくて、食べれなくて、食べても吐き戻しちゃうのが…俺のせいだって」
「もふくん、俺と時間を過ごせば過ごすほど、どんどん体調崩していくから。」
「だから、辞めようなんて馬鹿な事。」
「ごめんは、こっちの台詞かもしれない…」
そんな事言わないで、好きになっちゃう。
でも、もうそれでいいか
全部、適当で。素直で。馬鹿で。滅茶苦茶で。
「もう、離さない。離れない。もふくんが死ぬまで、一生一緒にいよう。」
そう、その言葉を待っていた
泣きじゃくった酷い顔で俺は呟いた。
「ごめんね。大好き。」
口付けして
撫でて
抱いて
泣いて
怒って
笑って
死んで
殺して
それも愛だから。
強く、強く、息が詰まる程どろっとしている。
吐きたいくらいの重い愛。
握り潰したくなるようなこの心臓。
朽ち果てるまで続く呪いを君に。
殺したいくらいの愛。
これも愛、
これが、愛
人間が満たしたくてたまらないこの気持ち
一番美しくて、一番醜い この気持ち
でも、それがいい。
俺は、もう一度口に出した。
「ごめんね。大好き。」
[完]
おまけ
「あーあ、結局ゆあんくん持ってかれちゃった。」
あれから数日。一応病院に搬送されたものの、特に外傷もなく、あっけなく退院した。
あれから、ゆあんくんとは連絡をとっていない。
いや取れていない。
きっと幸せだから大丈夫。生きているはず。
二人を知る人に言われた。
なら、いいか。
それならいいか。
せっかくの金ズルが…私も貢がなきゃいけない人が居る。
身体のすみずみ、1箇所でも見落とさないように、全部知りたい人が居る。
「えとちゃーん!!朝だぞーー!」
愛しい人が私の名前を呼ぶ。
隠し切れないこの重い愛。
「うん、起きてるよー!」
「早くご飯食べようね!!」
ああ、可愛い
可愛くてたまらない。
離したくない。
誰にも見せたくない。
これが私の愛。
るな。
一生私から離れないでね。
[完]
♡、💬、お願いします🙇🏻♀️💦
5000♡で続編or新作品
今回の作品カバー画像⤵︎ ︎
画像:はりねず版男子メーカー(2)様
編集:Canva様
上記を使用しています。
コメント
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次回予定作_____『 愛 惜 』 🖤×💜 または🤍×💜の予定 次も単発でこんな雰囲気の物語書くつもりです。 リクエストもお待ちしております
もうてと様が書く小説物語一つ一つが好きすぎてやばいです😭
課題やるのが嫌すぎて適当にスマホ見てたらてと様の作品が更新されてて驚きすぎてリアルで「ええ!?」って言っちゃいました…。もう今回も最高すぎます……!!🤦♀️てと様の作品に出てくる体弱いmfくんめっちゃ好きです、。表現の仕方が具体的で、なんというか儚くて…。そしてなによりかわいいです。はい。