コメント
3件
ごめん、好きな話なんだけど、一人称誰かだけが気になってしまう💦語り手はどなた?
※ふっかさん視点です
「謎に腰とか筋肉痛なんだよね~」
オフ明けの朝、佐久間が楽屋のソファに座りながら伸びをし、決まってそんな言葉を口にしていた時があった。
「また? 何したの?」
「いや、特に何もしてないんだけどさ~。なんか筋肉痛なんだよね~」
佐久間と阿部ちゃんが付き合い始めて少し経った頃から、佐久間がオフ明けには決まって身体のどこかが痛いと言い出すようになった。
特に腰と太もも。
最初は何気なく聞いていたが、何回も続くと流石に気づく。
「……あれってさ、そういうことだよな?」
小声で翔太がめめに耳打ちしているのが聞こえる。
「……まぁ、そうなんじゃない」
めめが目を逸らしながら答えた。
「えっ、なんもしてへんのに? それ大丈夫なん!?」
一方で無邪気な康二は毎回大声で反応してしまい、慌てて照が「康二は黙っとけ」と軽く頭を叩く。
「まぁまぁ……いいんじゃない?」
館さんが苦笑いしながらフォローするものの、佐久間本人は相変わらず「何でだろうなぁ~?」と首をかしげるばかり。
(いや、お前が一番わかってるだろ)
メンバーの何人かは心の中で突っ込みながらも、決して口には出さずにいた。
俺には佐久間が無自覚で言っているのか、無意識のノロケなのかはわからないが——俺もとりあえず突っ込むのは野暮かななんて考える。
——でも、最近。
「……そういや、最近何も言わないな」
楽屋の隅で、ラウがぽそっと漏らす。
「ん?」
「いや、前はさ、オフ明けに佐久間くん、毎回『腰痛い』とか言ってたじゃん」
「ああ……確かに」
言われてみれば、最近の佐久間は朝からケロッとしている。むしろ、オフ明けの方がテンションが高いことすらある。
「どうしたんだろ」
ラウの言葉に、翔太がふっと笑った。
「阿部ちゃんが加減を覚えたんじゃない?」
「……っ!!」
思わず吹き出しそうになって、慌てて口を押さえた。
「お前、そういうことさらっと言うな!」
「ラウになんてこと言ってんだよ!」
メンバーが次々と翔太に文句を言う。
「だって、そうじゃん?」
「……まぁ、うん……」
以前はオフ明けの度に「なんか身体が痛いんだよね~」とヘラヘラしていた佐久間が、最近は何も言わなくなった。
佐久間が自覚しだしたのか、翔太の言うとおり阿部ちゃんが加減するようになったのか、真相はわからないけど、メンバーとしては、
——いや、友達としてはちょっと安心している。