ふっかは、いつも余裕がある。
メンバーの中で最年長っていうのもあるんだろうけど、どんな時も落ち着いていて、俺が焦ってる時でも「大丈夫だって」って笑ってる。
周りがワチャワチャしていても、一歩引いてみんなを見て、場を回すのが上手い。
俺と付き合ってても、その余裕は変わらない。
困ったことがあっても弱音は吐かないし、俺に頼ることもほとんどない。
「最年長だからな、俺がしっかりしなきゃだろ?」
ふっかはいつもそんなふうに言う。
俺としてはもっと頼ってほしい。
恋人なんだから、頼ってくれてもいいのに。
何かあったら俺に話せばいいのに、ふっかは「俺は大丈夫」って言って、俺の前でも弱いとこを見せない。
だけど——
夜になると、ふっかは一変する。
腕の中で、ふっかは俺の名前を甘く呼ぶ。
「ひかる、ひかる……っ」
いつもの余裕なんてどこにもなくて、俺を求めてくる。
必死にしがみついてくるその姿が、昼間のしっかり者のふっかとまるで別人みたいで、最初は驚いた。
「……もっと、ひかる……っ、おねがい、」
そう囁く声は震えていて、俺の中にゾクッとした衝動を走らせる。
昼間は俺のことを軽くいじったり、冗談めかして俺をからかうくせに、夜は俺に翻弄される側になる。
俺が触れるたびに、余裕なんて微塵もなくなって、ふっかは腕の中で熱を帯びていく。
昼間は頼れる最年長。
メンバーの前では余裕たっぷりに笑って、どんな時でも場を和ませる。でも、夜は違う。俺だけを頼って、すがりついてくる。
——そのギャップが、たまらなくいい。
俺に頼ってこないのはちょっと不満だけど、昼間の余裕たっぷりなふっかと、夜に俺を求めてくるふっか、どっちも俺のものだって思うと、悪くないなって思い始めている。
むしろ、もっと聞きたい。
「ひかる」って、俺だけを呼ぶ甘い声を。
もっと、俺にだけ見せる顔を。
コメント
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ひーくんだけに見せる顔…ごちそうさまです!!😍😍