テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
涼太 side
涼太❤️『翔太、帽子持った?何やってんのTシャツ逆に着てるよ』
嬉しそうに万歳してる。Tシャツをひっくり返すと首にぶら下がってきてキスをせがんだ。お尻に手を置いて抱き上げると上からキスが降ってきた。
翔太💙『ねぇねぇもう一回だけ見せてねぇ』
涼太❤️『ダメ、さっき最後だよって言ったよね』
手作り弁当を覗いては、つまみ食いを繰り返している。見るたびにおかずが減って行く。
涼太❤️『先に行って車準備してきて』
〝お弁当俺が持って行こうか?〟と聞いてきたものの、先程からスキップをしている翔太に任せられるわけはない〝いや、俺が持って行くよ〟ちぇっと舌打ちしている。
翔太は毎日夜7時にプラネタリウムに出かけて行く。目の腫れが引くまで何処かの公園でやり過ごしているのだろう。家に帰ってくるのは日付が変わる寸前だ。
一緒に食事をしたいけど、翔太の気が済むまでは自由にさせている。
夜の営みもあれから一度もしていない。どちらからも誘うことはない。
不安がないかと言えば嘘になる。いつか蓮が来て翔太を攫って行く未来が想像できない訳じゃない。
きっと翔太はそれを望んでるんじゃないか。
だからこそ、今を愛したい。
今のこの時間を少しでも長く2人で過ごしたい。
翔太💙『遅いよ何してたんだよ?』
助手席に座ると、翔太が顔を覗き込んできてキスをした。
涼太❤️『彼女になった気分』
翔太💙『お嬢様、シートベルトをお締め下さい』
翔太がハンドルを握って車を走らせた。
昨晩突然の翔太からの提案で2人分のお弁当を作った。どうしても2人で行きたい場所があるらしい。
翔太💙『涼太サングラス似合うね。カッコいい』
涼太❤️『翔太もカッコいいよ。似合ってる』
〝何でも似合っちゃうんだわ俺〟と上機嫌だ。
翔太 side
自分の感情を言葉にするのが苦手な涼太は、いつも自分の事は後回しで、行為の最中だって俺の事を気に掛けた。
〝痛く無い?〟〝大丈夫?〟
あの夜、優しさに包まれて抱かれた。
気持ち良くて、心地良くて俺の中に涼太がどんどん侵入してきて愛で満たされた。
泣きながら俺を抱く涼太は綺麗だった。
うっとりと俺を愛おしそうに見つめるその目は今まで俺を見てきた涼太と同じだった。
気付かないだけでずっとそこにあったんだ。
心の中の蓮はどうして消えてくれないんだろう。
心の声を願い事に託している。
いい加減〝願い事は一つにしなさい〟と神様から怒られそうだ。
目的地に着くなり涼太が不思議そうな顔で尋ねた。
涼太❤️『連れて来たかったところってココ?』
翔太💙『うん覚えてる?よく小さい頃来たでしょ?』
涼太の家族と俺の家族とでよく来ていた郊外の海水浴場だ。持って来たレジャーシートを砂浜に敷く。
涼太❤️『どこに隠し持ってたの?』
大きな日傘と、日焼け対策グッズに、腕カバーを着けた俺を見て涼太は呆れ顔だ。
翔太💙『場所はね、ママに聞いたの。この前MVで撮影した海思い出して・・・海見たいなって』
涼太❤️『らしくない』
翔太💙『何?なんで?』
涼太❤️『翔太は、蓮と離れて変わった。いつからこんなロマンチストになったんだよ』
翔太💙『・・・』
〝蓮〟と言う言葉にビクリと反応してしまう自分がいる。その名前言うなよ・・・
毎晩、星を眺めているせい?傷ついた心を海に癒して貰おうとでも思ってるの?
海だって、星だって迷惑だ。
涼太❤️『ごめん、今のは不謹慎だった。さっお弁当食べようか』
不安な顔をしないように、努めて明るく振る舞った。
俺が変わっちゃったら、涼太は嫌いになっちゃう?
また蓮みたいに俺を捨てるの?
全部の言葉が心の中の暗闇に押し込められて、そろそろ満杯になりそうだ。
翔太💙『うまっ///あっ最後のエビフライずるい』
涼太❤️『あなた、ここへ来る前に二つ食べたでしょ?』
涼太からエビフライを横取りし口に放ると口からはみ出たエビの尻尾目掛けて涼太の顔が近づいてきた。唇ごとエビを持ってかれてリップ音が鳴った。
翔太💙『////』
涼太❤️『んっ美味しい』
翔太💙『ばっバカ見られたらどうすんだよ!』
涼太❤️『えっ?日傘はそのために持ってきたんでしょ』
そう言って俺を押し倒すと、深い口づけを交わした。
舌を抱き合わせれば、ふたりの露が口から溢れた。
翔太💙『ンンッ//んっ…涼太エビフライの味する よ//』
涼太が膝枕してくれた。波の音が心地よくてウトウトした。涼太が頭を撫でてまたキスが降ってくる。穏やかな時間が流れてる。
翔太💙『涼太幸せ?』
涼太❤️『翔太にはどう映ってる?俺幸せそう?』
聞かれた事なくて、固まってしまった。
てっきり〝翔太が幸せなら俺は幸せ〟そう言うと思った。2人がそうであったように。
涼太の言葉が嬉しくて、今度は俺からキスをした。
涼太❤️『んっ////』
翔太💙『蕩けちゃって幸せいっぱいって感じ』
今度は入れ替わって俺が涼太を膝枕した。
涼太の綺麗な黒髪を手で梳けば、気持ちよさそうに目を細めた。眩しくてサングラスをかけた涼太はすごくカッコよくて思わず目を逸らすと頰を撫で向き直された。
涼太❤️『どうしたの?』
翔太💙『カッコいい///』
涼太❤️『よく言われる』
指を絡ませ手を繋ぐと、どちらからともなくキスをした。心が軽くなった気がする。穏やかな時間が流れているのを感じる。
翔太💙『涼太、俺今日ここに来たかったのは・・・』
紳士的な涼太は、真面目な話だと察すると、サングラスを外して俺の目をしっかりと見つめた。
翔太💙『ここから始めたいって思って・・・ごめん上手く言えないんだけど、ふたりの始まりの場所にどうかな?愛してる・・・涼太。俺の愛を受け取ってほしい』
涼太❤️『この辺にラブホあったかな?翔太?』
翔太💙『おいそう言うのやめろよ💢せっかくの記念日が穢れるだろ』
〝ごめん、調子乗りました〟とシュンとした顔で俯いた涼太が可愛くて、思わず笑ってしまった。
涼太❤️『笑うのもどうかと思うよ』
〝はいすいません〟今度は俺が謝ると2人で大笑いした。
なんでもない時間が当たり前に過ぎて行く、心穏やかで胸が軽くなって、目の前の人が愛おしい。
手を繋いで海を後にすると〝また来ようね涼太〟そう言って日傘を目隠しにすると口付けを交わした。
コメント
14件
幸せそう。 プラネタリウムに行くの、やめられるかな。始まりの場所からやり直したいって、しょっぴー、かっこいい。なんか、幼なじみだとこんなに違うんだって思う。
花凛さん、お疲れ様です😍いつもありがとうございます😊😊寝るまで何度も読み返します💕
ゆり組エンドでもいいなーもう🤣🤣🤣❤️💙幸せすぎる