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地獄の門の前。空は紅に染まり、無数の黒い雲が渦巻く。そこに立つ二つの影――一つは神々しい光を放つタクト、もう一つは圧倒的な闇を纏うルシファー。
「ついにここまで来たか、タクト。」
ルシファーは嘲笑を浮かべながら語りかける。その声は深く、そして不気味なまでに響き渡る。
「だが、貴様の『警告』ごっこなど、私には通じない。」
タクトは無言のままルシファーを見据える。彼の目は怯えることなく、ただその敵の動きを見極めようとしていた。
「行くぞ、ルシファー!」
タクトは腕を掲げ、その手に「警告の文字」を創り出す。空中に浮かび上がる赤い文字――「Don’t touch」――それはルシファーの進撃を封じる術式となる。
「面白い。だが小細工だ。」
ルシファーはその警告の文字を見て一瞬止まるが、次の瞬間、彼の体から放たれる炎がそれを焼き尽くす。
「その程度で私を止められると思ったか?」
彼は笑いながら空高く舞い上がり、巨大な漆黒の槍をタクトに向けて投げつける。
タクトは瞬時に新たな警告を作り出す。今度の文字は――「Reject」。槍がその文字に触れると、光と闇の衝突が起き、周囲の地面を抉るような衝撃波が発生した。
「ほう、少しは楽しませてくれるようだな。」
ルシファーの口元に、わずかな興味が浮かぶ。
タクトは次々と警告を繰り出す。
「Stop」――ルシファーの脚を封じる。
「Don’t move」――漆黒の羽を硬直させる。
「Disapper」――その術式はルシファーの闇の力を削ぎ落とす。
だが、ルシファーはそのたびに警告を力でねじ伏せ、笑い声を響かせる。
「素晴らしい! だが、それだけか? 私を満足させるには程遠い!」
ルシファーの漆黒の炎がタクトに迫る。彼は防御の警告を構築するが、その炎の力は常軌を逸していた。一部の文字が崩れ、タクトの腕にやけどの痕が刻まれる。
「くっ…!」
タクトは痛みに耐えながら、新たな警告を構築する。
「『警告』の力がどれほどのものか、見せてもらおう。」
ルシファーは全身から闇の刃を放つ。それは無数の弾丸のようにタクトを襲う。
タクトは瞬時に新たな警告を空中に浮かべる。
「slip through」――その文字に従い、闇の刃はタクトの体を避けるように飛び去る。
「やるじゃないか。だが、それだけでは私には勝てんぞ!」
ルシファーは笑いながら、今度は巨大な闇の渦を生み出す。それは空間を歪め、すべてを飲み込もうとする。
タクトは深呼吸をし、一際大きな文字を構築した。
「Don’t drink」――その警告が闇の渦を裂き、空間を再び安定させた。
ルシファーの力は増幅し続け、タクトの警告だけでは追いつけない状況になりつつあった。
「さあ、もっと本気を見せてみろ! タクト!」
ルシファーは全力でタクトに向かい、闇そのものを武器として振り下ろす。
タクトはそれを迎え撃ちながら、心の中で決意を固めた。
「まだだ…俺にはまだやれることがある…!」
次々と警告を作り出し、戦況を維持しようとするタクト。しかし、ルシファーの力はその一つ一つを打ち破り、タクトの体にじわじわとダメージを与えていく。