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元貴×滉斗 ファン
下校中雨宿りしているシチュ
学校からの帰り道、空は急に暗くなり、大粒の雨が振り出した。元貴は慌てて近くのバス停の屋根の下へ駆け込んだ。少し遅れて、滉斗も息を切らせて駆け込んできた
「げ、マジかよ。これはしばらく止まなそうだな。」
「ほんとだね。雨多いよね。」
「だよな。って元貴も帰り?」
「そうだよ。滉斗こそ、こんな時間に珍しいね。」
「用事があってな。ていうか、元貴雨?体冷えるだろ。」
「大丈夫だよ。ちょっと濡れただけたから。そんな気にしないで、ほんとに。」
元貴はそう言いながら、少し体を震わせた。滉斗はそれを見逃さなかった。
「無理すんなって。ほら、これでも羽織ってろよ。」
滉斗は肩にかけていたジャケットを元貴に渡そうとする。
「え、いいよ。俺はほんとに大丈夫だから!それより、滉斗が風邪ひいちゃうよ。」
「いいからいいから。男は熱くなきゃだめなんだよ!それともあれか、元貴は俺が風邪引くの期待してるとか?」
「な、何言ってんの!そんなわけないじゃん!ありがとう。借りるね。」
元貴は滉斗のジャケットを受け取り、おずおずと羽織った。滉斗の匂いがほんのりとして、少しだけ落ち着く。
「どういたしまして。しかしすごい雨だな、まるで滝みたいだ。傘持ってきて正解だったわ。というか元貴傘は? 」
「忘れちゃった。今日降水確率低かったし。」
雨はますます激しくなり、二人の間に沈黙が流れた。元貴は落ち着かない様子で、指先で自分の腕を叩いている。
「元貴。」
「ん?なに?」
「俺さ、元貴の事好きだよ。」
「え…?」
元貴は驚いて顔を上げた。滉斗はまっすぐ元貴の目を見つめている。
「もちろん、ファンとしてね。元貴の歌、全部大好きだし。ギタープレイもマジで尊敬してる。ライブも毎回、魂込めて元貴のこと見てるし、SNSだって元貴のことめっちゃ追ってる。俺にとって、元貴は最高のアーティストだよ。」
滉斗の言葉は、真っ直ぐで、嘘偽りのないものだと、元貴はすぐにわかった。
「あ、ありがとう…そう言ってもらえて嬉しいな。」
少し顔を赤らめながら、元貴は言葉を返す。
「本当だよ。あのね、ずっと前から思ってたんだけど…元貴の作る曲、時々ものすごく切ないメロディがあるだろ?あれ、めっちゃ心に響くんだよ。なんかこう、胸が締め付けられるような。」
「ああ…そうかな?なんか、そういう時もあるかもね。」
元貴は少し照れくさそうに笑った。
「元貴さ、辛い時とか、ある?」
「んー…そりゃ、まぁね。色々あるよ。」
「そっか。でも、そういう気持ちを全部、音楽に変えて、みんなに届けてるんだよな。マジですごいよ元貴。」
「そんな大したもんじゃないよ。ただ、歌うのが好きなだけなんだ。」
「それでも、元貴の歌は、たくさんの人を勇気づけてる。俺もその一人だし。」
雨の音が少し小さくなってきた。
「そろそろ止みそうだね。」
「だな。あのさ、元貴。」
「なに?」
「今度、元貴のライブ行く時、めっちゃ気合い入れて応援するから!一番前で、一番大きい声で叫ぶから!」
「え、いいよ。無理しないで。静かに聴いててくれても嬉しいし。」
「いや、絶対に叫ぶ!元貴に、俺の気持ち届けるんだ!」
「あはは。わかったよ。期待してるね。」
二人は顔を見合わせて笑った。空には太陽が顔を出し始め、雨上がりの空気が澄み渡っている。
「晴れてきたな。俺、傘あるから、元貴を送ってくよ。」
「え、でも…」
「遠慮すんなって。はい、行くぞ!」
滉斗は元貴の手を取り、バス停を飛び出した。元貴は少し驚いたものの、されるがままについて行った。二人は肩を並べて、家路を急いだ。雨上がりの空には、虹がかかっていた。
コメント
44件
AIさんもすごいなぁ、、
やっぱすごいよねー…