テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
スタートーー❗️
人工島研究施設。
赤い非常灯が通路を照らし続ける。
《施設自爆まで 残り30分》
機械音声が静かに繰り返していた。
研究員たちは慌ただしく避難を始め、施設全体が混乱に包まれている。
⸻
真実の部屋
黒瀬に案内されたコナンたちは、施設の最深部へたどり着いた。
巨大な自動ドアが開く。
そこは壁一面にモニターが並ぶ中央管制室だった。
机の上には大量の資料。
そして、一台の高性能サーバー。
黒瀬が静かに言う。
「ここに事件のすべてが残っている。」
コナンはパソコンを起動する。
画面には暗号化されたデータ。
灰原が通信機越しに話しかける。
「コナン、USBを差して。」
阿笠博士が作った解析プログラムが動き始める。
数秒後――。
画面に極秘ファイルが表示された。
「やっぱり……。」
コナンは小さくつぶやく。
河川敷で受け渡されていたケースは、新型エネルギー研究の設計データだった。
本来は政府機関で厳重に管理されるはずの資料。
しかし、その一部が不正に持ち出されようとしていた記録が残されていた。
「これが、みんなが隠したかった真実なんだ。」
⸻
美月のシャッター
美月は静かにカメラを構えた。
モニターに映る証拠。
研究資料。
部屋の様子。
そして黒瀬の姿。
カシャッ。
シャッター音が静かに響く。
コナンは笑う。
「今度は誰にも消せない。」
美月は小さくうなずいた。
「写真は、人を傷つけるためじゃない。」
「真実を伝えるためにあるんだから。」
黒瀬はその言葉を聞いて目を閉じた。
「……君は、本当に強い人だ。」
⸻
黒幕からの通信
突然、すべてのモニターが切り替わる。
映し出されたのは、黒いコートの男。
「証拠は見つかったようだね。」
コナンはモニターを見つめる。
「もう終わりだ。」
男は静かに笑った。
「そうかな?」
その瞬間。
施設全体が再び大きく揺れる。
ゴゴゴゴゴ!!
天井からコンクリート片が落下した。
「自爆装置だけじゃない!」
黒瀬が叫ぶ。
「島そのものを沈める気だ!」
⸻
崩れゆく施設
避難通路が崩れ始める。
佐藤刑事たちは研究員を誘導していた。
「落ち着いて!」
「順番に!」
しかし出口への橋が途中で崩落する。
「橋が!」
蘭が驚く。
海まで十数メートル。
飛び越えられる距離ではない。
コナンは周囲を見回した。
そして巨大な建設用クレーンを見つける。
「博士!」
通信機を押す。
「クレーンを動かせる?」
博士の声が返ってくる。
「遠隔操作なら何とかなる!」
「やって!」
数秒後。
巨大なアームがゆっくりと動き始めた。
橋の代わりになるように、対岸へ伸びていく。
「これで渡れる!」
⸻
黒幕との対面
その頃。
施設屋上。
黒いコートの男はヘリコプターへ向かって歩いていた。
「逃げる気か!」
コナンは階段を駆け上がる。
屋上へ飛び出す。
海風が吹き抜ける。
男はゆっくり振り返った。
「君は最後まで来ると思っていた。」
帽子を取る。
その素顔は四十代半ばほどの男だった。
「名前なんて、もう意味はない。」
「真実だけで十分だ。」
コナンは静かに構える。
「真実から逃げたのはあんただ。」
男は苦笑した。
「逃げた?」
「違う。」
「守ろうとしただけだ。」
「混乱から。」
「争いから。」
コナンは首を振る。
「真実を隠して守れる平和なんてない!」
⸻
美月の一枚
美月は屋上へ駆け上がる。
黒幕。
コナン。
朝日。
ヘリコプター。
その光景を見た瞬間。
彼女は迷わずカメラを構えた。
カシャッ!
黒幕は驚く。
「何!?」
美月は静かに言った。
「あなたが消したかったのは、この一枚なんでしょう。」
「でも私は撮る。」
「誰かを苦しめるためじゃない。」
「真実を未来へ残すために。」
その言葉に黒幕は初めて動揺した。
⸻
決着への一歩
突然、ヘリコプターのローターが回り始める。
「離陸します!」
操縦士が叫ぶ。
黒幕は飛び乗ろうとする。
その瞬間――
コナンはサッカーボール射出ベルトを起動した。
「これで終わりだ!」
キック力増強シューズで蹴られたボールが一直線に飛ぶ。
ドゴォン!!
ボールはヘリコプターの離陸を妨げるように機体の一部へ命中し、操縦士は安全のため離陸を中止した。
黒幕は足を止める。
その間に佐藤刑事たちが屋上へ到着する。
「そこまでです!」
男は静かに両手を上げた。
しかし――
施設の警報が鳴り響く。
《自爆まで 残り5分》
コナンは叫ぶ。
「まだ終わってない!」
「全員、島から脱出するんだ!」
⸻
ラストシーン
崩れ始める屋上。
朝日が海を照らす。
コナンたちは黒幕を確保しながら、脱出用ヘリの代わりとなる救助艇が待つ岸壁へ向かって走り出した。
美月は最後にもう一度だけ振り返る。
朝日に染まる人工島。
ここで起きた出来事は決して忘れない。
彼女は静かにシャッターを切った。
カシャッ。
その一枚は、「事件の終わり」と「新しい始まり」を写した写真になった。
⸻
――第十章 終――
次回・第十一章「最後の5分」
人工島の崩壊まで残された時間はわずか5分。コナンたちは取り残された人々を救いながら脱出を目指します。そして、美月が撮影した「最後の一枚」が、この事件を完全に解決へ導く決定的な証拠となります。劇場版ならではのスケールで、物語はいよいよ最終決戦へ突入します。
295
7
コメント
3件
いぬ🐶さん、第十章お疲れ様でした! めっちゃ熱かったです…!特に美月の「写真は真実を伝えるためにある」っていう台詞、心に刺さりました。黒幕の「守ろうとしただけ」って言葉も、悪役なのにどこか共感したくなっちゃうというか。 クライマックスに向けて一気に加速してる感じがして、最後の5分がもう待ち遠しいです。美月が撮った最後の一枚、どんな意味を持つのか気になります🌙