第7話 環境を壊す者
オアシスの縁で
違和感が立つ
水の流れが
止められている
根が
無理に引き上げられ
地面が固められている
そこに
別の冒険者がいる
重い装備
硬い足運び
道具が地面を叩く音
周囲を見ない
形だけを測っている
杭が打たれる
縄が張られる
オアシスを
留めようとしている
チョップは
一歩も出ない
厚い肩が
わずかに沈む
止める役ではないことを
知っている
イチョウは
声を出しかけて
やめる
細い指が
布を掴む
空気が
変わる
ドラゴンが
現れる
鱗は地形と同化し
姿の境界が曖昧
呼吸が
森と水を乱す
言葉はない
次の瞬間
冒険者の姿が
消える
音も
痕跡も
残らない
地面は
元に戻る
水は
再び巡る
ドラギが
それを見ている
小さな体
短い翼
息が
強く揺れる
胸の奥で
はっきりした感覚が生まれる
怒りではない
恐れでもない
壊される前に
止められた安堵
そして
固定される未来への
拒絶
自分が
何を嫌悪したのか
初めて
理解する
ドラギの息は
静かに戻る
だが
その記憶は
消えない







