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向井「うわ、でっか…」
ここは、今日から通う高校”鼎立《ていりつ》学園”
新しく通う高校は男子校で、寮が3棟あるって聞いてたから大きいんだろうとは思っていたけど、想像以上に大きかった。その巨大な校舎を見上げて目を丸くしていると、背後からふんわりとした声が聞こえた。
「もしかして、転校生?」
振り返ると、そこに立っていたのは、ピンク髪の男の子。ふにゃっと笑う顔はあどけなく、康二は思わず見惚れてしまった。
「…どうかした?俺の顔そんなに見て」
と、ピンク髪の男の子が不思議そうにしている。
康二は我に返り、慌てて返事をした。
向井「あっ、はい!今日からここに転校してきた向井康二です!」
男の子は目をパチクリさせてから、くすくす笑い出した。
佐久間「にゃはは!よろしくね、康二!俺は佐久間大介。早くしないと遅刻だよ?」
と意地悪そうに言いながら佐久間は走り去ってしまった。 年下かな…可愛い顔してた… そんな事を思いながら足早で教室へ向かった。
佐久間と別れ、担任の先生に促されて教室のドアを開けると、 ざわついていた教室内は一瞬で静まり返った。
「みんなおはよう。今日からこの学園に転校してきた向井康二くんだ。…じゃあ、向井くん挨拶を。」
先生の促しに康二は会釈をし、
向井 「今日からこのクラスでお世話になります、向井康二です!関西から引っ越してきました。よろしくお願いします!」
康二が顔を上げると、クラスメイトたちの視線が集中していた。 康二の少しハスキーだけど明るい声と、可愛らしい顔立ちに、クラスの男子生徒たちはざわめき始める。
「おい、あの転校生、めっちゃ可愛い顔してんじゃん。」
「だよな、俺も思った。」
そんな声が聞こえてくる中、担任の先生がポンと手を叩いた。
「じゃあ、向井はそこの空いてる席に座ってくれ。何か困ったことがあったら、みんなで助けてやれよ。」
康二は「はい!」と返事をして、指定された席に向かった。席に着くと、隣の生徒が声をかけてくれた。
宮舘「これからよろしく。俺は宮舘涼太。みんなからは舘さんって呼ばれることが多いけど、好きなように呼んでくれていいから。」
同い年には見えないくらい落ち着いた優雅な雰囲気をまとった宮舘に緊張しながらも、康二はニコッと笑って 「ありがとう。」と答えた。
持ち前のコミュ力でなんとかやっていくぞ!と思いながらも、この男子校での生活がどうなるのか、少しだけ不安を感じていた。
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