僕は45歳、実家くらしの独身のおっさんだ。
どこからみてもダサい、効き目で見ても効き目じゃない方で見てもダサい。
学生時代は?思い出したくない。
仕事は?仕事と言えるか分からないがゲーム実況や解説をして月5万くらいの収入だけ。
Live配信中は相手からは僕の顔、体は見えないから自信を持って話すことができる。
いわゆる見た目がダサいので対面がだめなんだ。
得意なのはそれだけかな。親がいなくなったら僕の人生は終わりだ。
「おーいカズキ婆さんをデイサービスに送ってあげて」
これ最近の日課になった、婆ちゃんがたまには陽の光を浴びろってデイサービスの送迎を僕に依頼してきた。
婆ちゃんは45歳のニートの僕にお小遣いをくれる、そんな婆ちゃんが好きだ。
免許をとって25年経つけど今だに初心者マークは欠かせないレベルだ。
婆ちゃんは駅前のデイサービスに通っている。今日も送迎!
「おはようございます、フミさん今日はクイズ大会ですよ」
「こりゃ頑張んないといかんなぁ」
今日の目玉イベントはクイズ大会らしい。
9;00から13;00までが利用時間。
僕はその間、車で寝てるか近くのゲームセンターで遊んでるのが日課だ。
家に帰れって?家に帰るとまた迎えに行くのがだるくて行く気にならない。
今日もいつもどおり車で一眠り。。。
「ざわざわざわ」なんかうるさいなと思い車の外を見るが特に変わった様子もない。
この駅前は特に人通りが多いわけでもない。
TVでも見るかとエンジンをかけTVをつける。朝のワイドショーを見るのも日課だ。
最近のワイドショーも司会が芸人だったりニューハーフ枠だったりコメンテーターとしてどうのなの?っていうのが多い。
「ざわざわざわ」またしてもざわめきが
集中して耳を傾けてみた。
「どうしよう、どうやったらデート誘えるかな」
「デートにさそう???」
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目の前に女子高生。。。ここは?駅前のバーガーショップ?
「翔くん?どうしたの?」
いえ僕はカズキですよ、あなた誰?
「翔くんと久しぶりだね、2人だけでお茶するのも、学校休んじゃおうか」
「あなたは誰ですが?」
「何ふざけてるのよ、翔くんたら、ちょっと公園行こう」
その時窓ガラスにうっすら映る僕の姿は僕じゃなかった。。。
「ちょっとトイレいく💦」
僕は洗面所に駆け込んだ。
誰だこの顔なんだこれは、まさか転生?そんな僕は?
僕はカバンをあさり、学生証を発見する。「山本翔 17歳」高校生に転生している。
落ち着け落ち着け、何が起きているだ。
はっ、ここは車から数十メートルの距離
もとの自分を確認しよう。
女の子とは対面で喋るのは久しぶり、顔は、なかなかのイケメンに転生している。
今日から彼となって生きていくのか?
まずはもとの自分を確認しなくては
洗面所からテーブル席にもどる。
「ごめん、お待たせ!」
「翔くん公園行こ」
「あっああ」
女の子に手を引っ張られ公園に向かう。
公園に向かう途中に僕の車があるはず。
遠くからだが僕の車には僕が乗っていて眠っているようだ。
「このおじさん、汚らしいね車の中もゴミだらけだし、なにこの、ぬいぐるみとフィギアの数」
これは婆ちゃんを待ってる間にゲーセンで取った僕の勲章たちだ。UFOキャッチャー界では僕は大佐に値する。
「昼間から寝てるし、ああはなりたくないよね」
あれ、ハンドルが目の前に、バックミラーを見るとさっきの高校生があるいてる。
ミラーで顔をみると僕に戻っている。
「瞬間転生?夢?もう終わり?」
なんだかしっくり来ないが、僕は窓をあけ
「山本翔!」でかい声で叫び、車内に隠れた。
「はい!」
「翔くんどうしたの?」
「誰かに呼ばれたような?」
やはり夢ではなかった、僅かだが彼になっていた。
元にもどるから転生ではないのか、何かロジックでもあるのか?
「やばいなぁ、明日テストかぁ」
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あれ、道を歩いている。。
股間がスースーする、下を見るとスカートを履いているではないか。
カバンをあさり手鏡が、女の子になってるし。。。僕の車は駅の向こう側。
自分がどうなってるかみてみよう。
駅の階段を登って逆サイドへ
後ろから熱い視線が、、、
背後から僕をみてニヤニヤしてる中年が2人。
はっ!まさか僕のパンツを。。。
クソジジイめ カバンでスカートを押さえて階段を登る。
下り時は今度は前を押さえて、スカートは不便だな。
僕の車が見えてきた、僕がアホヅラて寝てる、窓を叩いて起こしてみるか。
「ドンドン!」
目の前にハンドルが、ドアの外にはさっきの女子高生が、挙動不審に駅へと戻っていった。
なんとなくロジックがわかった。
ヘルプで入れ替わり、自分と対面すると元にもどる。場所や時間も関係あるかもしれないが大変な事になってきた。
コメント
3件
この作者の人天才すぎる、、、!面白い😳