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超能力が無くなり、数ヶ月がたった。
1度だけ復活したが、空助にバージョンアップしたのを作ってもらい、無事に消えた。僕にはもうヘアピンもおもちゃのメガネも必要ない、完全なる凡人に生まれ変わったのだ。
そんな中の、何の変哲もない、8月15日の午後12時半くらいのこと。とても天気が良く、病気になりそうなほど日差しが強い。パイロキネシスが無いため、凡人はこうも辛いのかと実感する。
今は海藤、窪谷須、燃堂の3人で秘密基地に向かっている最中だ。前壊れたのを作り直したらしい。僕は別にそこまで行く気は無かったのだが、帰りにコーヒーゼリーを買ってやると言われたので着いて行くことにした。
…断じてこいつらと遊ぶのも少し楽しいと思い始めたとかはないかな。断じてちがう。
「やはり1番いいのは春だ!」
「いやいやおめぇ花粉症なめんなよ!!ちょーつれぇんだから!」
「まぁでも俺は夏の方が嫌いかな。だってあちぃしこれといった行事もあんま無いだろ?」
「なぁ斉木はどう思うよ?」
アイツらが季節について話している。ちなみに僕も夏は嫌いだ。あの何をしでかすか分からないゴギブリが出やすいもんでな。
こいつらと他愛もない話を沢山し、途中口論になりながらも、目的地の秘密基地へと向かっていく。変哲のない日常の一コマ。凡人とは、とても素晴らしい。
「おい相棒!みろよ、あそこに猫がいるぜ」
「あれは猫ではなくこの世界を監視のために生まれたクローンだ。気安く触れない方が良い。最悪の場合は悪の秘密結社ダークリユニオンの人体実験として使われるぞ!」
海藤、猫を撫でながらそんなこと言われても信憑性がないぞ。
そんなことを言っている海藤を横目に猫が手から脱出している。そんな悲しい顔をするな、人体実験として使われるんだろ。
「にしてもこの猫すばしっこいな。油断したらすぐどっかいっちまいそうだぜ。」
そうだな、注意しておかないと。
「あぁこらそっち行くなって!」
「瞬、そっちは危なーーーー
「おいチビ!」
海藤が道路に飛び出した瞬間。真っ赤に変わった信号機。エンジンをかけ始めるトラック。
「男の子が引かれたぞ!!」
「誰か救急車!!」
トラックからギギギギギ……という泣き叫ぶ声が聞こえる。海藤が目の前から居なくなる。いや、いるにはいるんだが、とてつもなく赤い。赤黒い。トラックも、道路も、海藤も。事故にあった?理解が追いつかない。まず復元能力だ、使えるわけがない。僕はもう超能力なんて使えない。クソっ、どうすればいいんだよ。こんなことならあんな能力でも捨てなければよかった。こんな時に、僕は友達ひとりも救えないのか。
燃堂達の声が聞こえる。海藤を運んでいるのか?
ミンミンミン、と何時もよりうるさくセミが鳴いている。まるで「これは現実だぞ」と伝えてるみたいに。
体調がすごく悪い。気持ちわるい。吐きそうだ。
僕は立っていられなくなりーーーーー。
ーーーーーーーーーーー
僕は家のベッドにいた。体が重い。気分も悪い。今は何時だ?
8月14日の午前11時くらい、少し寝すぎてしまったようだ。